子どもに居場所、交流の場に 七飯「ぷれすた」 学習塾・フリースクール・通信制高校・駄菓子屋が一体化

駄菓子屋を備えた「ぷれすた」。子どもの居場所になっている

【七飯】学習塾とフリースクール、通信制高校、駄菓子屋が一体化した「ぷれすた」が町鳴川に開設され、子どもたちの居場所になっている。不登校の子どもらの支援に長年携わってきた運営メンバーは「小学生から高校生まで、どんな事情を抱えた子でも気軽に来ることができる場を」と意気込んでいる。

「このお菓子、二つください」「勉強する前にゲームしようかな」

9月のある平日の午後4時ごろ、小学生ら10人ほどが次々と古民家を利用した施設に集まった。子どもたちは玄関先の駄菓子屋で10~15種類から商品を選んだり、学習塾のスペースで宿題に励んだりと思い思いに過ごす。

運営するのは、東北地方で無料の学習塾を開いていた七飯出身の宮川淳さん(48)と、同じく東北地方でフリースクールに携わっていた千葉県出身の鈴木篤さん(33)。宮川さんが鈴木さんを誘い、5年ほど前から準備を進めていた。

まず6月に小中学生を対象とした学習塾を開設。料金は月1万円で、50分間の個別授業を週1回行い、算数・数学や英語を教えている。

8月に駄菓子屋を本格オープンし、9月にフリースクールと通信制高校を併設した。通信制高校は鹿島山北高(神奈川県)の七飯キャンパスとして登録。フリースクールと通信制高校はいずれも月3万円で、施設で自習や学校の宿題などに取り組むことができる。

フリースクールと通信制高校の複合施設は珍しいという。宮川さんは「フリースクールは義務教育までしかカバーできない。高校を備えればフリースクールに通っていた中学生も安心して次のステップに上がることができる」と強調する。

駄菓子屋にはぷれすたに通っていない子どもも集い、交流の輪が広がっている。町内の小学生の母親(37)は「娘は塾に通っていないけれど、駄菓子屋があるので気軽に利用できる」。塾に通う七重小3年の橘蒼翔さん(8)は「勉強のあとに遊べるのが楽しい。毎日でも通いたい」と笑顔を見せる。

虐待やいじめ、ヤングケアラーの問題など、子どものさまざまな悩みを把握できる環境をつくりたいという宮川さん。「友だちのように近い存在にならないと相談してもらえない。まずは駄菓子屋のおじさんとして地域の子どもや親を支援したい」。子ども食堂の併設も検討している。

塾と駄菓子屋は午後2~8時、フリースクールと通信制高校は午後1~4時。問い合わせはメール(info.puresuta@gmail.com)へ。(足立結)

この記事に関連するタグ

Area

北海道外

その他