乳幼児健診や予防接種、保護者とデータ共有 留寿都村・蘭越町が一元管理システム整備へ

【留寿都、蘭越】留寿都村、蘭越町は年内にも、乳幼児の健診や予防接種のデータを一元的に管理するシステムを整備する。保護者にとってスマートフォン上で子どもの健康管理に必要な情報を確認しやすくなり、行政、医療機関とも情報を共有することで、的確な保健指導や診療につなげられる。全国のモデル事例として、開発事業費1億1千万円は全額、国のデジタル都市国家構想交付金から充当されることになった。


子育て世代を支援するための事業で、交付金の対象に採択した内閣官房は「乳幼児健診と予防接種の情報を総合的に管理するシステムは珍しい」としている。

システム開発は、留寿都村、蘭越町を含む羊蹄山麓7町村と製薬開発支援大手のシミックホールディングス(HD、東京)が新型コロナウイルスのワクチン接種に関する包括連携協定を結んでいる縁で、同社の関連会社が支援する。スマートフォンで乳幼児健診の記録を管理する既存の母子健康管理アプリと、ワクチンの接種履歴を管理し誤接種を防ぐシミック関連会社のアプリの連携が柱となる。

母子健康管理アプリでは健診時の問診で保護者が子どもの既往症や発達で気付いたことを入力し、医療機関側が身体測定、実際の発達状況など健診の結果を入力。ワクチンのアプリでは保護者が予診票の入力、医療機関側がワクチンの種類、接種日などを入力する。

新​シ​ス​テ​ム​の​柱​の​一​つ​、​ワ​ク​チ​ン​接​種​履​歴​の​管​理​ア​プ​リ​。​
今​後​、​乳​幼​児​健​診​の​記​録​と​統​合​管​理​で​き​る​仕​組​み​づ​く​り​を​目​指​す

新​シ​ス​テ​ム​の​柱​の​一​つ​、​ワ​ク​チ​ン​接​種​履​歴​の​管​理​ア​プ​リ​。​ 今​後​、​乳​幼​児​健​診​の​記​録​と​統​合​管​理​で​き​る​仕​組​み​づ​く​り​を​目​指​す

各入力データは保護者がスマホで一覧できるほか、各役場の担当部署も共有し、保健指導に役立てる。また、病気などで受診した際、チェックイン操作で医療機関側も健診記録やワクチン接種の履歴を確認でき、的確な治療に生かせる。デジタル化で手書きの手間が省ける利点もある。入力時の本人確認などでマイナンバーカードを活用する。

システムは年内にも住民対象に試験運用を始め、本年度中の完成を目指す。全国の自治体への普及も期待されているため、システムの仕様は公開するという。留寿都村保健医療課の佐藤全弘(まさひろ)課長は「デジタル化を推進し、どこに住んでいても充実した健康管理のサービスを受けられる仕組みを整えたい」と話す。(須藤真哉)

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