連載【0カ月からの育児塾】

赤ちゃんのお出かけデビューはいつから? 持ち物や注意点を解説

写真はイメージ(プラナ / PIXTA)

赤ちゃんと初めて遠出するのはいつから大丈夫かと迷うお母さん、お父さんは少なくありません。大型連休を間近に控え、旅行や帰省を計画する家庭もあるでしょう。赤ちゃんとのお出かけを楽しむ際のポイントについて、北海道助産師会会長の高室典子さん(札幌)に聞きました。

生後1カ月以降が適切

赤ちゃんが外出できるようになる時期について、高室さんは「生後1カ月以降が良いでしょう」と呼び掛けます。赤ちゃんがお母さんのおなかの外の環境に慣れ、体温を調整できるようになることが大事。赤ちゃんやお世話をする大人の体調をみて、天気が良く風のない時にベランダなどで外気浴をするなど、少しずつ外に慣れさせましょう。

天候は赤ちゃんの体調に影響します。赤ちゃんは鼻の粘膜が弱いため、風を受けると鼻水が出やすくなります。風がある場合は外出を控えるか、赤ちゃんの顔に風が当たらないようケープなどをかぶせてあげてください。

生後2、3カ月を過ぎると「お買い物など、1、2時間程度のお出かけもできるようになります」と高室さん。気温が上昇する夏場は「暑さを避けて午前中に」と勧めます。一方、スーパーに行く場合、生鮮コーナーなどは冷房が効いていることが多いため、「バスタオルやカーディガンなどを羽織らせて」と助言します。

抱っこひもで負担軽く

外出時は、座面が平らになるベビーカーや、横抱きができる布状の抱っこひも「スリング」を使い、赤ちゃんの腰をしっかり支えるようにしましょう。生後1カ月までは、長時間、縦抱きにすると背骨に負担がかかるためです。ベビーカーを使う場合は揺れが少ないものを選んでください。揺れると赤ちゃんの頭に響くため、道路の凹凸を避け、ゆっくり歩きましょう。

10分以上抱くのは、親にとっても大変。スリングなどの抱っこひもを使って負担を減らします。スリングは「当て布をしっかり親の肩に当てることがポイント」と高室さん。事前に抱っこひもを着けて練習してから外出した方が安心です。ベルトで固定するタイプの抱っこひもは、抱く大人の体形に合ったものを選んでください。

持ち物は、母子手帳と健康保険証は必須。おむつや着替えなどかさばる物が多くなりがちなため、リュックに入れると、両手が使えて便利です。

赤ちゃんとお出かけポイント

高室さんの助産院で出産したお母さんからは「温泉にはいつから行けますか」とよく聞かれるそうです。生後2、3カ月以降なら可能ですが、高室さんは「無理をせず、なるべく近場を」と言います。温泉は、自宅のバスタブよりも温度が高いこともあるため、赤ちゃんと一緒の場合は、「長湯はせず短時間」が基本。泉質では、例えば酸性が強いと赤ちゃんの肌に刺激が強いので、避けた方がよいでしょう。周りを気にせずゆっくり利用するには、貸し切り風呂や客室の風呂を使うこともお勧めです。

長距離移動のポイントについて、高室さんは「無理をしないことが一番」と強調します。赤ちゃんや家族、帰省先の家族らの体調が良くない場合は、計画を見直しましょう。車で移動する際は必ずチャイルドシートに乗せてください。

感染症対策しっかりと

大型連休中は混雑も予想されます。赤ちゃんを疲れさせないために、混雑しそうな場所や時間帯は避けた方が良いでしょう。感染症対策として、高室さんは「赤ちゃんの周りの人は手洗い、うがいを忘れずに」と話します。「しっかり準備をして、みんなが笑顔でいられるお出かけを楽しんでください」 動画では、赤ちゃんに合った抱っこひもの選び方などについても詳しく紹介しています。

取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)

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