ゲームでプログラミング 旭川・ひとまちアカデミー 楽しく論理的思考養え注目

マインクラフトを使ってプログラミングを学ぶ子どもたち

旭川市の情報通信技術(ICT)活用拠点「ICTパーク」(旭川市3の8)内で開講するプログラミング教室「ひとまちアカデミー」が注目を集めている。世界的人気のPCゲーム「マインクラフト」を使ってプログラミングの基礎を学べたり、専用ソフトで実際にゲームを作れたりする講座を用意。論理的思考力を養えるほか、大学入試でもプログラミングに関する科目が導入されるため、関心が高まっている。

「信号機をマインクラフトのプログラム上で再現してみよう」。高性能パソコン10台を置いたICTパーク内の「トレーニングジム」で、講師の豊田流星(りゅうせい)さん(21)が受講する小中学生7人に呼びかけた。

マインクラフトは、画面上で立方体のブロックを組み合わせて街並みなどをつくる。旭川市内のIT企業社員でプログラミングに詳しい豊田さんの指導で子どもたちは、赤や青、黄色のブロックを指定の座標に並べて、色が自動で変わるようにプログラミングし、信号機を表現した。

同教室は昨年4月、株式会社ひとまち(旭川)が開講した。現在は小中学生約20人が三つの講座に分かれて週1日ずつ学ぶ。

同教室は人気のスマホゲーム「ポケモンGO」の開発にも使われるゲーム開発専用ソフト「Unity(ユニティ)」を使ったゲーム制作講座も行っている。上川管内では旭川市、東川町、富良野市に計19カ所のプログラミング教室があるが、ユニティで小中学生対象にゲーム制作を指導するのはこの講座が唯一とされる。

講座では3カ月間かけ、ソフトの使い方を教わりながらシンプルなゲームを作る。最初に取り組むのは、キーボード操作で玉を転がして障害をかわすなどしてゴールを目指す「玉転がしゲーム」だ。

ゲーム作りは生徒の個性も引き出す。講師の助言を受けながら、特定の床を通過すると玉が加速したり、触れたらゲームオーバーになる壁を設置したり創意工夫を反映できるためだ。玉転がしゲームの後は、スマホ向けのアクションゲーム作りに挑戦する。同教室の松川美和代表は「ユニティの講座はハイレベルなプログラミングを学べる」と話す。

プログラミング教育は、意図を実現させるための筋道を論理的に考える思考を養う目的がある。下村幸広アカデミー長は「想定通りに動かない時に原因を探して修正する能力が身につく」と話す。

2022年度からは高校教育でプログラミングやデータ活用を学ぶ「情報Ⅰ」が必修になった。社会のデジタル化が進む中で、必要な力を育む狙いで、大学入学共通テストの新科目として25年度からは「情報Ⅰ」が導入される。

小5の息子が受講する宮崎晃二郎さん(44)は「楽しんでやっています。入試で必修になるので、今のうちに備えさせたい。エンジニアやメーカー勤務など、将来の選択肢を今のうちに広げてもらいたい」と話した。

マインクラフトの基礎コースは受講料が月9900円。ゲーム作りの講座が同1万3200円。いずれも入会金(5500円)とテキスト代(3千~3300円)が別途必要。申し込みは同アカデミーのホームページ(https://h-machi.jp/academy/)で。

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