ファミサポ、半年で利用10倍 ニセコ町事業、住民が託児や送迎

ボウちゃんと遊びながらスコットさん夫妻の帰りを待つ協力会員の原田紗苗さん

【ニセコ】町が6月に始めた、子どもの一時預かりや送迎を担う「ファミリーサポートセンター(ファミサポ)」事業の利用が伸びている。徐々に町民に知られるようになり、託児などの月間利用予約数は、開始から半年で10倍以上になった。支援を行う協力会員の登録も増加。今後は多様なニーズに応えるため協力会員をさらに確保するほか、外国人への周知も強化し、事業の一層の定着を図る。

外国人への周知にも力

11月末の夕方、夫婦で町内のカフェを営むスコット愛さん(34)が仕事を終えて帰宅すると、長男ボウちゃん(1)と協力会員の原田紗苗さん(42)=真狩村在住=が出迎えた。スコットさんは週5日ほどファミサポを利用。「気兼ねなく安心して預けられる。フレキシブルに予定を組めるのも助かる」と喜ぶ。保育士経験のある原田さんは「役に立ちたくて始めたが、子どもがかわいくて自分が楽しんでいる」と笑顔を見せた。

ファミサポは会員登録制で、子育てを手伝ってほしい利用会員を、事前研修を受けた有償ボランティアの協力会員が支援する仕組み。仕事や買い物、通院時に子どもをどちらかの自宅で預かったり、幼稚園や習い事の送迎をしたりする。町は6月、真狩村の助産所「なみうち助産院~まんまじょ」に運営を委託し、後志管内の町村部では初めて事業を導入した。

対象は0歳~小学6年生。午前7時~午後8時に、30分400円から利用できる。現在、町民対象の利用会員は38人、協力会員は町内や近郊に住む20~60代の35人で、開始した6月は3件だった利用が、12月は予約を含め40件超と大幅に増えた。

同助産院は託児や送迎の需要は今後も伸びるとみて、協力会員をさらに増やしたい考えだ。また、町内に多い外国人の利用会員、協力会員を増やそうと、11月には事業の説明会を初めて英語で開催。将来的には町と連携して託児の拠点施設を設けるなど、子どもの受け入れ態勢を拡充することも検討している。

同助産院の浪内淳子院長(55)は「小さな地域だからこそ人の顔が見え、子どもを預ける側、預かる側の安心につながる」と強調。「育児が一段落した人、子育て経験を生かしたい人、子どもが好きな人。地域みんなで気軽に助け合い、子育てしやすいまちづくりを進めたい」と話す。

問い合わせは同助産院、電話0136・55・8524へ。

この記事に関連するタグ

Area

北海道外

その他