子育て力アップを支援 保育士らが「親育ち」チーム 羅臼

8月にプロジェクトチームが開いた子育て講座。町内の女性約20人が参加した

8月にプロジェクトチームが開いた子育て講座。町内の女性約20人が参加した

【羅臼】町内の保育士や栄養士など行政の専門職によるプロジェクトチームが、子育てする親の力を育む「親育ち」の支援に取り組んでいる。昨夏のチーム設立後、地域の子どもたちの課題を探る生活実態調査や専門家による講座を実施。人口減や核家族化で周囲との関わりが薄くなる中、孤独な子育てに陥らないよう親を支援し、家庭の教育力向上につなげたい考えだ。

「子どもとスマホ」講座/生活実態調査 「気づきを促したい」

町や町教育委員会は昨年7月、子育てには親自身の成長や学びが不可欠だとして行政間連携の「子どもの自律・親育ち応援チーム『緒(お)むすび』」を設置。幼稚園職員や歯科衛生士、栄養士、司書など9人で構成し、名前は家庭・地域・学校を結ぶ三角形にちなんだ。

昨年11月には町内の幼稚園児の保護者と小中学校に通う子ども全員(計496人)にアンケートを実施。「おうちの味付けは給食と比べてどうか」「昨日はお水、お茶以外に何を飲んだか」「ネットをどのくらい利用するか」など細かな習慣を問う約20項目について質問した。その結果、小学6年生の約6割が午後10時以降に就寝、中学3年生の約半数のネット利用時間が3時間以上などの現状が分かった。アンケート結果は町広報誌9月号に掲載したほか、今後は課題について対策を検討する。

8月にはスマホとの向き合い方を学ぶ講座を町内で開催。講師の「NPO子どもとメディア」(福岡)認定インストラクターの中谷通恵さんが「脳の基本ができあがる10歳までが大事。YouTubeは刺激的で、小さい頃から見続ける習慣がつくと危ない」と警鐘を鳴らし、子どもを抱いた女性たちが真剣に耳を傾けていた。

プロジェクトチームの菊地理恵子・町教委図書係長は「羅臼では既に、肥満や虫歯が多いなど地域独自の健康課題を抱えている。生活リズムや読書週間など地域全体で問題意識を持ち、情報発信することで気づきを促していきたい」と話している。(長谷川史子)

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