園バス安全装置義務化 不安払拭へ早め発注 東胆振・日高

送迎バスから降りて登園する園児たち。この後、職員が車内を確認している=苫小牧ふたば幼稚園

静岡県内の認定こども園で9月に起きた送迎バスの置き去り死事件を受け、来年4月から、全国の幼稚園や認定こども園の送迎バスで安全装置の設置が義務付けられる。東胆振・日高地方の園では既に装置を発注するなど準備する動きが出ているほか、装置の種類や設置費の補助に関する具体的な情報を早く示すよう、国に求める声も上がっている。

種類や補助など情報求める声も

2台のバスで約75人の園児を送迎する「苫小牧ふたば幼稚園」は今月中旬、各車両に設ける安全装置を業者に発注した。車内最後部の確認ボタンを押さずにエンジンを切ると警告音が鳴る仕組み。費用は1台あたり15万~20万円。設置時期は決まっていない。

同園では従来、園児の乗降や出欠の確認に細心の注意を払ってきた。今回の事件を受け、国からの詳細な情報は無いものの、保護者の不安払拭(ふっしょく)のため早めの注文を決めた。渡部麻子副園長は「今後も装置に頼らず、人による確認の徹底を継続したい」と話す。

政府がまとめた緊急対策によると、義務化の対象は全国の幼稚園や保育所、認定こども園などが運用する送迎バスで、関連費用を全額補助する考え。年内にも具体的な安全装置の例などが示される見通しだ。

新冠町内の認定こども園「ド・レ・ミ」も今月中旬、送迎バス2台の装置設置について、自動車ディーラーに見積もりを依頼した。センサーが車内に残された子どもを検知すると警報音が鳴るタイプで、費用は1台約8万円。国からの正式な通知が届いた時点で注文する予定だ。同園の楫川(かじかわ)聡明総括主幹は装置の性能を見極めた上で「早めに導入したい」としている。

一方、具体的な情報提供を求める声も。バス5台を使う安平町内の認定こども園「はやきた子ども園」の福田剛園長は「リスクを減らせるのは良いことだが、装置にもさまざまな種類がある。装置の性能や補助の内容など、早めに情報を示してほしい」と訴えた。(木村みなみ)

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