アレルギー対応へ代替食 様似町のスクールランチ、年明けにも開始

スクールランチの準備をする様似小の児童ら。年明けにもアレルギー対応が始まる

【様似】町教育委員会(町教委)は、学校給食の代わりに民間事業者が昼食を届けるスクールランチで、懸案だったアレルギー対応を早ければ年明けから始める。通常メニューとは別に、アレルギーの原因となる食材を含まない「代替食」を用意する。また、昼食時に学校でミルクのみを提供する「ミルク給食」については、利用する児童、生徒が全体の4割に満たないため、無償化して利用状況の改善を目指す。

様似町は昨年9月、道内で初めてスクールランチを導入した。メニューを元に希望者が事前注文し、各家庭が1食200円を事業者のコープさっぽろ(札幌)に支払う仕組み。荒木輝明町長が昨年の町長選でアレルギー対応などを公約に掲げ、町教委がコープ側と検討を続けてきた。

現在、アレルギーの原因となる特定原材料7品目と、これに準じる21品目の計28品目のうち、料理に含まれるものをメニューで明記。各家庭で注文するかしないかを判断している。

今後、代替食を希望する場合は病院からアレルギーの証明書を取得してもらい、コープの管理栄養士らと各家庭が個別に面談。該当する児童、生徒を代替食の利用者として登録し、食べられない原材料を含むメニューの日は代替の献立を事前に提示する。当日は他の児童、生徒とは別に包装されたランチを届ける。

追加料金は1食に付き54円。計28品目以外に食べられない食材がある場合は同108円が必要だが、いずれも町が負担する。

「ミルク給食」については町が継続して実施してきた。アレルギーなどで飲めない子どももいるため、年度初めに希望を取り、PTAが費用を徴収している。

子どもたちの栄養確保のため、学校給食では本来、全員がミルクを飲むこととされている。しかし町教委によると「希望者が飲むものとの誤った認識が広がっているようだ」という。

喫食率改善へ、町は無償化方針を決め、本年度予算に費用を計上した。これに対し、町議会から「まず実態を正確に把握すべきだ」などの指摘が出されたことを受け、5月下旬以降、全児童、生徒225人の保護者にアンケートを実施。132人(回答率58.7%)から回答を得た。

この結果、「飲んでいる」は34.1%だった。一方、飲んでいない理由は「嫌いで飲みたがらない」が27.5%、「ミルク代を節約」が16.5%だった。今後、「飲ませたい」との回答は46.2%に達した。無償化後の提供方法については「全員に提供」が38.6%、「希望者のみ」が56.1%を占めた。町教委は「無償化で半数から8割程度が飲むと見込まれる」と分析、町議会にも報告した。

今後、「給食は全員が対象」との原則を周知すると同時に、ミルク給食を受ける意思を保護者らに確認後、本年度中に無償化する。

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