真狩の旧川崎小、親子交流の場に 住民が絵本やおもちゃ提供 企画・運営の後藤さん「みんなの居場所に」

「もりのとしょかん」で、村内の子どもたちや母親らと交流する後藤はるかさん(中央)

「もりのとしょかん」で、村内の子どもたちや母親らと交流する後藤はるかさん(中央)

【真狩】30年以上前に閉校した村川崎の旧川崎小学校が、地域の子どもたちの交流の場として活用されている。絵本やおもちゃが並び、週末に親子連れが思い思いに過ごす空間。近くに住む農業後藤はるかさん(33)が「もりのとしょかん」と名付け、1年前から運営する。後藤さんは「多世代がつながれる、みんなにとっての居場所にしたい」と話す。

7月末の日曜、道道97号沿いにひっそりと立つ旧川崎小の教室の窓から、子どもたちの元気な声が響いた。ボードゲームや滑り台で遊んだ後は、体育館を駆け回る。4歳と2歳の娘と訪れた村在住の小学校教諭松本里和さん(30)は「子育て世代には心強い遊び場。母親同士でおしゃべりもできる」とうれしそうだ。

「もりのとしょかん」づくりは昨年5月に始まった。村出身の後藤さんは2020年、カナダなどでの2年間のワーキングホリデーを終えて帰国し、地元での活動を模索していた。「学校でも家でもない、誰もが気軽に立ち寄れる場所があったらいいな」。集いの場として思い浮かんだのが、小学生の頃に好きだった図書室。1987年に廃校した校舎を村が貸し出していると知り、教室一つと体育館を無償で借り受けた。

校舎は築約90年。雨漏り補修やペンキ塗りといった改修や掃除、本棚作りなどは、全て自分たちで行った。補修作業と同時に子どもたちも受け入れ始めた。おもちゃなどは地域住民が提供し、絵本は1年間で500冊以上に増えた。

としょかんは月2回ほど、主に日曜に開館し、未就学児を中心に村内外から毎回約10組の親子が集まる。工作や餅つき、時には校舎を出て田植え体験をすることも。村内のボランティアが読み聞かせに訪れるなど、交流の輪も広がってきた。後藤さんは「会ってわいわいするだけで楽しい。少しずつ手直ししながら、みんなの手でこの場所を育てていきたい」とほほえむ。

入館無料、予約不要。開館日はとしょかんのインスタグラムで知らせる。

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