母親向け育児講座充実 真狩・なみうち助産院「必要な情報届けたい」

浪内淳子院長(中央奥)の指導でベビーマッサージを体験する母親たち。赤ちゃんは気持ちよさそうな表情を浮かべた

【真狩】羊蹄山麓地域唯一の助産所「なみうち助産院」(村社87)は、新型コロナウイルス禍で交流の機会が減り、孤立しがちな母親を支援しようと、育児講座を充実させている。産前産後の生活に役立つ多彩な内容の講座を週1回のペースで開き、毎回新米ママらで満席になるほどの人気ぶり。浪内淳子院長(54)は「一人で困っているお母さんに必要な情報を届けたい」と話す。

正しい抱っこや離乳食実習…毎回満席

「気持ちいいね」。5月下旬、同助産院隣のレンタルスペース「まいっか」で開かれたベビーマッサージの講座。浪内院長の指導の下、5人の母親がわが子のおなかや背中を優しくさすりながら声を掛けた。生後4カ月の長女と参加した京極町の小林静香さん(31)は「肌に触れると子どもの体の状態がわかる。初めての育児で、勉強になることばかり」と笑顔を見せた。

同助産院は2014年、俱知安保健所の保健師を務めていた浪内院長が独立して開業した。羊蹄山麓地域で唯一「助産院」の看板を掲げ、お産は扱わず産前産後の女性の心身のケアにあたる。活動の幅を広げるため、昨夏に株式会社「まんまじょ」を設立した。

カウンセリングは来院や家庭訪問を通じて行い、最近では札幌や東京まで赴くことも。年間で計200~300件の相談を受ける。

院内のほか、行政が主催する育児講座の講師もしていたが、外部の講座はコロナ禍で中止が相次いだ。一方で、助産院への電話相談は増加。需要の高まりを受け、助産院での講座を月1回から週1回に増やした。

正しい姿勢での抱っこやおんぶの指導、離乳食の調理実習、乳幼児用の虫よけスプレー作りなど、時には外部講師も招き、約10種類の講座を展開。オンラインでも受講でき、近郊を中心に、道内外からの参加者で毎回定員に達するという。

「一人一人に寄り添い、身近で具体的な内容を伝える」(浪内院長)ため、母親の疑問に直接答えたり、沐浴(もくよく)の仕方を動画で解説したりする会員制の無料サイトも開設した。今後は父親向けの講座も始める予定だ。浪内院長は「交流の場が少ない今こそ、親御さんには自信をもって子育てを楽しんでほしい」と願う。

講座は2千円から。開催日や内容は、助産院のホームページやインスタグラムなどで知らせる。問い合わせはまんまじょのメール(info@mammajo.com)へ。

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