市立旭川病院が分娩休止 産科医減で外来のみに

【旭川】市立旭川病院(子野日=ねのひ=政昭院長、478床)の産婦人科が4月から分娩(ぶんべん)や手術を休止していることが11日、同病院への取材で分かった。産婦人科の医師3人のうち2人が3月末に退職したためで、外来のみ診療を行っている。

同病院によると、60代男性医師が定年退職し、30代女性医師は自己都合で退職した。男性医師は臨時職員として勤務を続け、50代男性医師と2人体制で診療に当たっているが、人手が足りないとして、分娩と手術の取りやめを決めた。

50代医師も6月末に退職予定という。現在は、外来に加えて、以前から入院していた婦人科系のがん患者の化学療法も手掛けているが、7月以降は入院治療を休止する。

市立旭川病院によると、2018年度(今年2月まで)の分娩は68件、手術は180件。過去5年間で分娩は2割程度、手術は4割以上減少している。

同病院は、9月までに出産を予定していた12人の妊婦に対し、旭川医科大病院や旭川厚生病院、旭川赤十字病院などを紹介している。市立病院は「道内の大学や医師会に働き掛けて医師確保に努め、一刻も早く診療体制を元に戻したい」としている。(前田健太)

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