子供の発想育む三角 浦河「森のようちえん」完成

三角形に組み合わされた柱が並ぶ園舎内。大人が歩く際は頭上や足元に注意が必要

三角形に組み合わされた柱が並ぶ園舎内。大人が歩く際は頭上や足元に注意が必要

【浦河】浦河フレンドようちえんが移転開園する幼保連携型認定こども園「浦河フレンド森のようちえん」の園舎が町東町かしわ4に完成した。関係者へのお披露目も終わり、4月1日に正式に開園、同9日に初の入園式を開く。

園舎は三角形に組み合わせた木製の柱で建物を支える特殊な「立体トラス構造」で、延べ998平方メートル。内部は保育室やホールを仕切る壁がなく、床から斜めに伸びたむき出しの柱が複数の三角形を形成している。窓も不規則な三角形で、適度な明るさを確保できるよう配置しており、光が差せば床に模様が映る。

同園が名称に取り入れた「森の幼稚園」は、自然体験活動を中心に据えた北欧発祥の幼児教育。運営するフレンド恵学園の伊原鎮理事長は「大人には効率が悪く不都合な建物だが、登ったり隙間に入ったり、トンネルや隠れ家にしたり、いろいろな子供の発想が生まれやすい。園の理念を体現した園舎ができた」としている。

「壁がない木造の園舎」との依頼を受けて設計した札幌の建築設計事務所の照井康穂代表取締役は「自然体験は子供の想像力を育む。建物でも森と同じことができないかを考えて設計した」と説明した。(松井伊勢生)

(2022年3月31日 北海道新聞朝刊掲載記事)

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