• 〈あそぶ→そだつ〉#8|腕の使い方 年齢で違い


    「あそぶ→そだつ」
    遊びを通した⼦どもの発達について詳しい増⼭由⾹⾥さん(札幌国際⼤准教授)が、さまざまな遊びの意味を解説。北海道新聞朝刊「⼦育て⾯」で毎⽉第3⾦曜⽇に連載しています。


    子どもの腕の使い方は成長に応じて変わります。それがよく分かる遊びを紹介します。9月に訪れた札幌市内の保育園で、1歳4カ月の男児と2歳5カ月の男児が、それぞれハンマー型のおもちゃでペグをたたく遊びをしていました。
     
    2人の腕に注目したところ、1歳の男児はハンマーを利き手で持って片手のみを使い、肘を動かしてペグを打ち込んでいました。一方、2歳の男児は手首がよく動き、利き手でハンマーを持って、もう片方の手の指でペグを支えながらたたいていました。約1歳差のこの2人には、片手だけを使うか両手を使うかだけではなく、肘や手首の使い方にも違いがありました。
     
    子どもの腕は肩から肘、肘から手首へと、身体の中心部から外側に向かって自由に振れるようになっていきます。ハンマー遊びの場合、発達が進むとより早くハンマーを動かせるようになり、的確にペグを打ち込めます。つまり作業効率がアップします。こうして、ますます道具を器用に使いこなせるようになるのです。

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    手首の動きが盛んになると、ねじる・ひねるといった動作を伴う遊びができます。さらに指先の力や器用さが増すと、自分でペットボトルのふたを開けられるようになるでしょう。
     
    クレヨンや鉛筆を持って絵を描いたり色を塗ったりすると、文字を書く動きにつながります。手先で鉛筆を自由に動かせれば、塗り絵で線からはみ出さず色を塗ることが、それほど難しくなくなります。
     
    このように、腕を振るという一つの行為でも、どこを動かしているかという点で成長に違いが見えます。2歳の男児がたたいていたハンマーは、両手を的確に使わないと遊べないタイプの玩具でした。子どもの身体の使い方の細かな違いが分かると、今できそうな遊びの見分けがつきます。

    増山由香里

    増山由香里(札幌国際大准教授=発達心理学)

      1972年生まれ、岩見沢市出身。岩見沢東高から藤女子短大(当時)へ進み、幼稚園教諭、保育士資格を取得。保育現場で勤務後、北大に編入し、北大大学院に進んで修士課程修了。旭川大学短期大学部准教授などを経て2017年から札幌国際大人文学部准教授。保育現場での出合いから、おもちゃや絵本への関心を深めた。編著に「具材―ごっこ遊びを支える道具」(17年、庭プレス)がある

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