• 自然遊びのプロに聞く「幼児の外遊び」 おすすめの遊びや気をつけるポイントを紹介

    写真はイメージ(Rina  / PIXTA)
    すがすがしい初夏は、子どもたちが屋外で虫や植物などいろいろな生き物と親しむ良い機会です。外遊びに慣れていない幼児が、自然とのふれあいを楽しむためには、どんな工夫や注意が必要でしょうか。札幌大谷大学短期大学部准教授で、子ども対象の自然体験教室を開くNPO法人「あそベンチャースクール」(札幌)代表の田中住幸(すみゆき)さん(50)に聞きました。

    ゲーム感覚で自然と遊ぼう 夢中になる姿、見守って

    釧路市の男性(33)は、塗り絵など室内での遊びを好む長女(3)を、もっと外に連れ出したいと思っています。公園へ連れて行っても、遊具で一通り遊ぶと「疲れちゃった。おうちに帰る」と言います。最近では、近くに飛んできたチョウを怖がって泣きました。男性は「外で遊ぶことの面白さに気づいてほしいのですが、なかなかうまくいきません」と話しています。

    田中さんは「遊具だけだと、決まった遊び方に限られてしまいます。でも、自然の中は刺激がいっぱい。ゲームを取り入れて、子どもが夢中になれるものを見つけられるよう、きっかけをつくってみては」と提案します。

    例えば赤や青、緑の色紙を手に近所を歩き、同じ色や似ている色を探す「色合わせ遊び」や、同じように丸や三角に切った画用紙を基に探す「形合わせ遊び」。これを発展させ、九つのマス目に、子どもに自然の中で気づいてほしいものを書き込み、一緒に探す「フィールドビンゴ」という遊び方もあります。

    「フィールドビンゴ」の進め方

    子どもから、保護者が思うような反応が返ってこないこともあります。田中さんは「子どもが遊びを味わうのには時間がかかります。気長に見守ってあげてください」と呼びかけています。

    子どもに声かけする時のポイントは、五感のセンサーを育てる意識を持つことと言います。カラスが鳴いていたら「何か聞こえるね」、雨が降ったら「どんなにおいがするかな」などと話しかけます。幼児期には虫や植物の名前を教えるよりも「感覚を使って自然と関わることが大事です」(田中さん)。

    田中住幸さん
    田中住幸さん

    虫が苦手な子でも、植物に触れることはできます。絵本「わたしのワンピース」にちなんで、画用紙に描いたワンピースの絵の部分をくりぬき、木や花にかざして自分の好きな模様のワンピースにする遊びは、幼児にも人気があります。

    穴をあけた画用紙に落ち葉を貼り付ける「落ち葉の窓」という遊び方もあります。「折り紙で作ったバッタを草むらに隠して探すゲームなら、虫が嫌いな子も楽しめるかもしれません」

    「わたしのワンピース」遊び 「落ち葉の窓」の作り方

    自然の中で過ごすことに慣れてきたら、子どもの興味の向くまま没頭する様子を見守りたいですね。延々ときれいな石を集める、泥に足を突っ込む、枝を握る―。体力がついてきたら、高低差のある散策路などに挑戦するのもいいかもしれません。

    服装は長袖長ズボン

    自然遊びの際には、日焼けや虫刺されなどに注意する必要があります。札幌市白石区の三浦恭子さん(48)は、いずれ長男(4)と一緒に山歩きを楽しみたいと思っていますが、踏み出せません。三浦さんは「ハチに刺されたり、ウルシなどの植物でかぶれたりするのが心配です」と話します。

    自然遊びの服装

    田中さんによると、服装は長袖長ズボンが基本です。濃い色は虫が寄ってくるので白っぽい服で、首元にはタオルなどを巻き、虫が入ってこないように隙間をなくします。ズボンの裾の隙間にも注意します。遊んだ後は、子どもの体にダニや毛虫がついていないか、よく確認します。

    田中さんは「自然遊びによって、子どもは目や耳からの情報に応じて体の動きを調整する能力を高めます。はう、しゃがむ、バランスを取るなど、体の動きを獲得する機会にもなります。見通しの悪いところや水辺の近くでは、くれぐれも子どもから目を離さないようにしてください」と促しています。

    取材・文/有田麻子(北海道新聞記者)

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