子どもの弁当 楽しく演出 札幌の料理研究家・菅田さん
忙しい朝、子どもの弁当をどう作るかは、保護者の悩みの一つです。幼稚園入園、小学校、高校の入学などで、4月から新たに始める人もいるでしょう。15歳と10歳の子どもの母で、簡単な「てまぬきレシピ」を提案する料理研究家の菅田奈海さん=札幌市=に、弁当作りのコツやレシピを教わりました。
教えてくれたのは
すがた・なみ 2014年日本テレビ「ヒルナンデス!」にて「レシピの女王」優勝。作る側にも優しく楽に楽しく作れるレシピ=てまぬきレシピを考案している。2児の母で、北海道札幌市在住。
おかずに「顔」 好物入れて
幼稚園や学童保育への通い始め、子どもは慣れない環境に緊張します。「食べたくなる簡単な演出をすると良いです」と菅田さん。好物などを残さない量で食べやすい大きさで入れます。
初心者もできる工夫として、ソーセージを人のようにした「ソーセー人」(レシピ1)、黒ごまの目とケチャップのほっぺとのりを切った口を使った「顔」をおかずにつけることを紹介。菅田さんは「私はこれを駆使して幼稚園時代を乗り切りました」と振り返ります。
顔はご飯やおにぎり、輪切りのゆで卵、ちくわ、小学生には目玉焼きにつけてもかわいいです。100円均一で購入できるのりを切るパンチも役立ちます。
食材と調味料を電子レンジで加熱し、ご飯にまぜておにぎりにすると短時間で献立の幅が広がります。ミックスベジタブルとケチャップでケチャップライス、めんつゆと小さく切った根菜なら炊き込みご飯風です。
小学生になると食べる量が増えます。フライパンやレンジ、トースターを使い分けると調理時間を省けます。
例として、レンジで作るミートボール(レシピ2)とスナップエンドウのごまあえ(レシピ3)、卵焼き、トースターで焼いたアスパラベーコンの弁当を提案。隙間にソーセー人を入れると見た目に楽しいです。量を増やし、食材の大きさや詰め方を変えると高校生向けの弁当にもなります。
ハンバーグ、照り焼きチキン、焼き魚や煮付けなど弁当の主菜はレンジで調理するのが便利です。冷凍食品、購入した総菜を冷凍し活用すれば品数も増えます。
菅田さんも4月から、高校生の弁当作りが始まります。弁当はブログなどで紹介する予定で「毎日違う物や手が込んだ物でなくて大丈夫。お母さんたちの笑顔が感じられ、好きな物が入った弁当が幼稚園や学校の思い出になると思います」と話していました。
【レシピ1】ソーセー人
材料(1人分)
作り方
- ソーセージは縦に半分に切る。口の位置に横に包丁で切り込みを入れ、もう一度斜めに切り込みを入れて切り取る。
- 手と足の部分に包丁で切り込みを入れ、電子レンジ600Wで10秒弱加熱すると手足が開く。
- 目の位置にマヨネーズをようじでのせ、その上に黒ごまをようじでのせる。ほっぺの位置にケチャップを多めにのせる。
【レシピ2】レンジでコロコロミートボール
材料(1口サイズ8個分)
作り方
- 耐熱ボウルにパン粉を入れて牛乳を加える。玉ネギはみじん切りにする。
- ①のボウルに豚ひき肉と玉ネギを加えてまぜ合わせる。
- ボウルの中で8等分にして丸め、Aを入れてふんわりラップをかけて電子レンジ600Wで4分加熱する。
- 加熱後にミートボールを崩さないようにまぜ合わせてそのまま粗熱が取れるまでラップをしておく。
【レシピ3】スナップエンドウのごまあえ
材料(2人分)
作り方
- スナップエンドウはななめ半分に切り、耐熱容器に入れてラップをふんわりかけて電子レンジ600Wで50秒加熱する。
- Aをまぜ合わせ①とあえる。
MEMO
- 耐熱のポリ袋でも調理でき、ホウレンソウや薄切りのニンジンでもOK。おかかや塩昆布であえると別のおかずになります。
記者がコツ実践 5歳の娘に弁当
料理が苦手な記者(35)は、来春から娘(5)を学童保育へ通わせる時にお弁当をどう作ろう-と1年先を見据えて不安がありました。菅田奈海さんが教えてくれたコツを実践して、娘に作ってみました。
のりと黒ごま、ケチャップで作る「顔」は100円均一で目と口にのりを切れるパンチを買って挑戦。白米のおにぎりでは目も、パンチで切ったのりにしました。凍ったままのベジタブルミックスとケチャップを電子レンジで数十秒温めてご飯にまぜたケチャップライスは、子ども茶碗の半膳ほどの少量でも、簡単にできました。
菅田さんは長女(10)の幼稚園時代、黒ごまの目を1センチほどに切ったちくわにつけ、穴にくちばしに見立てた枝豆を刺し「ちくわどり」と呼んでいたといいます。記者は、穴に輪切りにしたキュウリを長方形に切って刺し、目とほっぺをつけてみました。愛嬌があるちくわになり、作業を見ていた娘は「かわいい」と、大喜びでした。穴には、コーンを刺しても良いそうです。
他には、冷凍ホウレンソウをレンジで温めて作るごまあえと卵焼き、レンジで温めるだけの市販のハンバーグを入れました。隙間は余ったキュウリで埋め、娘と一緒に作業して30分ほどで完成。朝、子どもが寝ているうちに準備すれば、もっと早くできそうです。
お弁当が気に入った娘はよく「お弁当食べる」と言うので、日々の食事で作っています。自宅で食べるお弁当作りは忙しい朝と違って時間があるので、娘も一緒に顔を作って楽しんでいます。
料理が苦手な人でもコツを実践すれば、子どもが喜ぶお弁当が作れると実感でき、お弁当作りへの不安が和らぎました。ママにも、パパにも、ぜひ挑戦してほしいです。
取材・文/石橋治佳(北海道新聞記者)
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