【こどもの本棚】升井純子『さくららら』

今回のテーマは「写真絵本」
推薦者 木村彩乃さん(本別町図書館)

春への移ろい 視覚的に

3月19日のカメラ発明記念日にちなみ、写真を使った絵本を木村さんに教えてもらいました。

「さくららら」(升井純子文、小寺卓矢写真/アリス館)=写真=は、道北の桜「さくらちゃん」が主人公。雪に覆われた冬から春への移ろいを写真で表現し、ページをめくるごとに暖かくなっていくのを感じることができます。

芽室町在住の写真家小寺卓矢さんの写真を使用。木村さんは「温度感が伝わってくる」と話します。

春が近づくと、カタクリやエゾエンゴサクなど、北海道らしい身近な花が咲きます。さくらちゃんは「あれっ あたまが じんじんしてきた」、そして「わたし さきました」。

最後は、満開の桜を背景に「わたしがさく日はわたしが決める」。遅くても、小さくてもこれが私、という強いメッセージに勇気をもらいます。リアルに感じられるのは「写真の力が大きいのかな」と木村さん。5歳から。(小久保友香)

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(2024年3月12日 北海道新聞帯広・十勝版掲載)

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