連載コラム「ゆきりん先生の親子でおうち学習」第58回

#58|難しい算数を楽しむ キッチンでおいしく勉強

難しい算数を楽しむ キッチンでおいしく勉強

「算数が嫌いです」「数学なんて、生きていてどこで使うんですか」という相談がとても多いです。これは教える側の問題もあるなと思っています。教科書の学習となると、どうしても「難しく」考えてしまうからです。そんな中でも、親子で楽しく算数や数学の勉強ができる方法をお伝えします。

まず一つ目は分数です。ホットケーキを焼いたときなどに「2分の1にして」「3分の1にしよう」と言ってみましょう。前半は「半分こ」と同じです。また、幼児向け番組の中でも「3等分」という言葉が出てくるくらいなので、3歳のお子さんでも理解できるようになりますよ。

時計が読めるようになってきたら、時計を見ながら「30分は2分の1だね」「20分は3分の1だよ」と言ってみましょう。これは60進法の時間の計算になりますが、感覚的に分かっていた方が高学年になったときにとても楽です。

そして二つ目。ジュースや牛乳を飲むときに計量カップで量って飲んでみましょう。わが家では1リットルの牛乳を買ってきて、100ミリリットルずつコップに分けたことがあります。この体験が大変楽しかったのか、子どもたちは1リットルは100ミリリットルが10個分と即座に答えるようになりました。これは小学校に入って出てくる「かさ」の単位です。

実は途中で牛乳をこぼして大変だったのですが、失敗も子どもの記憶に大きく関わっているのだなと感じます。

親子でキッチンに立ち、目で見ながら、手で触れながら、耳で聞きながら、五感を使って作業してみましょう。材料を計量する、そしてホットケーキを焼き、こんがり焼ける匂いをかいで、最後はおいしく味わうという「算数」。これは家庭だからこそできることです 。

読み書きするだけの学習よりも、知識の吸収を早めます。新学習指導要領にも引き継がれる「生きる力」の実践は、思ったより身近で簡単なことなのです。

教えてくれたひと

本多抽紀江さん

家庭教師

家庭教師歴約30年。SNSを使った家庭学習支援「ぱんだちゃんのおうち学校」の校長も務める。著書に「勉強に自己肯定感は必要ない」(西日本出版社)がある。北海道を拠点に、関西、関東で活躍中。胆振管内安平町在住、2児のママ。
https://pandanoniwa.co.jp/

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