ツリーハウスやブランコ、ターザンロープなどの遊具を設置

20年後の名所を目指す「いちょうの森」 鹿追の飯沼さんが10年かけて手作り

黄色に輝くイチョウ並木と飯沼さん。「イチョウは葉が落ちても真っ黄色のじゅうたんになるのがいいよね」=いずれも10月30日

イチョウ、ヤマモミジ、果樹…1100本植樹
子どもたち集う、森よ育て

【鹿追】町東瓜幕の畑に囲まれた一角に、黄色いとんがり屋根のテントが並ぶ。テントの後ろには、高さ1~4メートルのイチョウやヤマモミジの並木が連なる。一帯を「いちょうの森」と名付けて整備するのは、町内在住の飯沼新吾さん(78)。30年かけて景観の美しい名所にする計画だ。

飯沼さんは10年前、70歳を前に「残りの人生で未来の子どもたちのために何か残したい」と、所有する5ヘクタールの人工林を人が集う名所に変えることを思い立った。伐採適齢期を迎えたカラマツなどの林の7割を切り開き、新たに約1100本を植樹。景観の良い森にするため秋に黄や赤に色づくイチョウやヤマモミジを中心に選び、果樹も植えた。

子どもたちに大人気というツリーハウス

森林内には、残した木を利用し、高さ約7メートル超のツリーハウスや、ブランコ、ターザンロープなどの遊具を設置。伐採した木で作った「チェーンソーアート」もずらりと並ぶ。ほとんどが飯沼さんの手作りで、今年の夏には「森の遊び場」として無料開放した。飯沼さんは「屋内の遊びに慣れた子どもにも外遊びの楽しさも知ってほしい」と話す。

10年目の今年もほぼ毎日通い、森の手入れや遊具作りに精を出す。木々はネズミやシカなどの食害で生育に差があるが、たくましく育った。早いものは飯沼さんの背丈の倍以上の高さに。

インディアンの「ティピー」やモンゴル遊牧民の「ゲル」を模したテントも手作り。休憩室や体験室になっている

「数年前はどこに並木があるのか聞かれるほどだったが、今年は少しは様になっている」と笑う。「自分が動けなくなっても森は育つ。20年後に名所になってくれればうれしいね」(金本綾子、写真も)

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