連載コラム「瀬川院⻑のすくすくカルテ」第7回
抗インフルエンザ薬 使った方がいい? 早期投与で重症化予防も
Q.質問
昨年、生後4カ月の長男がインフルエンザにかかったとき、医師から抗インフルエンザ薬を処方するか聞かれました。当時は薬の副作用が心配で断ったのですが、今後のこともあるのでどう判断したら良いのか教えてください。
A.回答
医療機関でインフルエンザと診断されたとき、医師から抗インフルエンザ薬を使うか尋ねられた経験をお持ちの方は多いと思います。基本的にインフルエンザの多くは自然に快方に向かいます。インフルエンザだからといって必ず抗インフルエンザ薬を使わなければならないということはありません。
抗インフルエンザ薬には、発熱期間の短縮(おおよそ1日)と、早期投与による重症化予防の効果があるとされています。基本的に、インフルエンザによる合併症の併発や重症化のリスクがある場合に、使用が推奨されています。
日本小児科学会の治療指針では、幼児や、基礎疾患がありインフルエンザの重症化のリスクが高い場合、呼吸器症状が強い場合に使用が推奨されています。「幼児」は5歳以下、とくに2歳以下の乳幼児を指します。なお、妊婦さんもインフルエンザの重症化・合併症併発のリスクが高いので、抗インフルエンザ薬の使用が推奨されています。
抗インフルエンザ薬の使用は、発症後48時間以内が原則です。しかし、症状が重症化する可能性があったり、長引く場合は、48時間以上経過しても使用することがあります。タミフルは1歳未満の乳幼児でも、生後2週間以上であれば使用することができます。
なお抗インフルエンザ薬を飲んでいてもいなくても、発熱後2日間は異常行動などがないか注意する必要があります。今年はインフルエンザの出足が早いので、ワクチンの早い接種をお勧めします。
(瀬川雅史=のえる小児科院長)
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