夏の夜の快眠、室温調整がカギ 北大大学院研究員・松浦さんに聞く

写真はイメージ(Ushico / PIXTA)

暑くて寝苦しい夏の夜は、大人だけでなく子どももなかなか寝付けません。子どもにとって、睡眠は体や脳の成長を促す大事な時間です。クーラーや扇風機を使って適切な室温や湿度を保ったり、パジャマや寝具に工夫を凝らしたりすることで、快適に眠る環境を整えましょう。


19日の午後9時ごろ、札幌市中央区の第一すずらん保育園では、夜間保育の園児2人が保育室(約86平方メートル)で寝入っていました。クーラーと扇風機各2台をつけ、扇風機は直接風が当たらないよう、園児から4メートル以上離して設置。室温26.5度、湿度52%と理想的な睡眠環境を整えていました。

クーラーと扇風機で室温を調整している第一すずらん保育園の保育室

クーラーと扇風機で室温を調整している第一すずらん保育園の保育室=7月19日(伊丹恒撮影)

同保育園を運営するNPO法人札幌ベビールームの大泉善夫理事長(74)は「睡眠の質を上げるため、20年前にクーラーを導入しました。気温が下がらない夜でも、子どもたちがよく眠るようになりました」と話します。

気象庁によると、札幌市で1日の最低気温が25度以上だったのは、1980年代は10年間で2日しか観測されていません。しかし、2019年は3日、21年は4日あり、暑い夜が増えている傾向がうかがえます。

寝る30分前にクーラー 水枕も有効

松浦倫子さん

松浦倫子さん

北大大学院教育学研究院の学術研究員で睡眠環境に詳しい松浦倫子(のりこ)さん(43)によると、子どもは大人に比べて体温調整が未熟といいます。就寝中に手足から熱をうまく発散できず、頭や背中が汗でびっしょりすることがあります。

松浦さんは「日中の気温や子どもの寝室の温度が高ければ、寝る30分前にはクーラーをつけ、室温を調整するのが望ましいでしょう」と話します。寝室は室温26度、湿度50~60%が目安です。体が冷えるため、風が直接当たらないように調整します。

クーラーがない場合は、微風にした扇風機を壁に向けて使ったり、除湿器で湿度を下げたり、タオルを巻いた水枕で頭や足元を冷やすといった方法があります。

クーラーをつける場合は夏用の長袖パジャマ、クーラーをつけなかったり、なかったりする場合は半袖パジャマ。生地は通気性や吸水性のよい目の粗い綿か、汗をかいてもべたつきにくい凹凸のあるサッカー地やちりめんが良いでしょう。

寝具類は、敷布団の下にすのこを敷くと通気性が良くなります。おもらし対策用の防水シーツは、湿気が逃げにくく、寝苦しくなる可能性があります。

寝付きやすい服装

朝方の寒さ タオルケットの用意を

タオルケットや薄手の布団は、クーラーの風が子どもに当たってしまう場合に掛けます。それ以外は、掛けても掛けなくても良いですが、朝方に寒くなった時のため、タオルケットを用意しておきましょう。「冷感」をうたう寝具は、効果が検証されたものかどうかを商品のホームページなどで調べます。

松浦さんは、気持ちよく入眠するために子どもと「寝る前の儀式」を勧めます。「一緒に歯磨きをしたり、絵本の読み聞かせをしたりするなど、リラックスした状態で寝ることを意識する時間をつくってください」と話しています。

取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)

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