• キラキラネーム気になる?反響編 <どう思う? 意見×異見>

    ウェブを使って読者と北海道新聞紙面を結ぶ企画「どう思う?意見×異見」。7月19日に掲載した「キラキラネーム 気になる?」には、道内外の88人から回答がありました。主な意見と、専門家の見解を紹介します。

    慎重意見多数 賛成する声も

    回答期間は7月19日~8月2日。年代別では50代が34人で最も多く、40代(28人)、30代(13人)と続きました。「反対」は34人(38.6%)、「どちらかといえば反対」は33人(37.5%)と慎重な意見が多数を占め、「賛成」は2人、「どちらかといえば賛成」は3人にとどまりました。

    反対の理由として多かったのは、「読みづらい名前は、周囲が困る」「親の自己満足ではないか」などでした。病院で以前、受け付けの仕事をしていたという札幌市の40代主婦は「キラキラネームを登録する際は苦労した。見慣れない漢字をパソコンに表示させるために、別の読み方を考えたり、画数を数えたりするので手間がかかった。自分の子どもには分かりやすい名前を付けようと思った」と振り返りました。

    子どもにキラキラネームを付けたという江別市の40代主婦は「当て字のように漢字を読ませてしまったが、本当に正しかったのだろうかと、自問自答することがある」とつづりました。

    賛成の意見には、「わが子の名前は、少しひねった読み方をしていますが、何も悪いとは思わない。名前は変化していくものだと思う」(札幌市の40代男性会社員)などがありました。

    自分自身が読みづらい名前を持つという人からの意見も届きました。「名字も名前も難しくて読みづらい」という十勝管内の30代女性会社員は「学校でも、社会人になってからも苦労している。会社に来る私宛ての電話では、『あの、名前を読めない人をお願いします』と言われることもある。損をしていると思う」と記しました。

    一方で、札幌市の40代主婦のように「私の名前は今で言うキラキラネームだけど、嫌だと思ったことはない。両親の思いが詰まった、自慢の名前だと思っている」と肯定的に捉える人もいました。

    他には「キラキラの度合いによると思う。度が過ぎるのは考えもの」(北斗市の40代男性会社員)などの意見がありました。性別に男性、女性ではなく「その他」を選んだ札幌市の40代公務員からは「私の名前は(名前を見ただけで)生まれた時の性別がわかってしまう。性別のわかりにくいキラキラネームをうらやましく感じることがある」との意見も寄せられました。

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    名付けが複雑、多様化/受容できる社会を期待
    小林康正・京都文教大教授に聞く

    キラキラネームが増えている現状を、どう捉えると良いでしょうか。名付けに詳しい小林康正・京都文教大教授(大衆文化史)に聞きました。

    キラキラネームが増えた背景には、二つの要因が考えられます。一つは、名付けの“複雑化”です。「音の響き」「文字のイメージ」「文字の意味」など、一つの名前に多くの要素を詰め込む傾向が広がってきました。

    もう一つは、名前の“多様化”です。(女の子に「○子」と付けるなどの)名付けの「型」は1980年代から崩れてきて名前が多様化し、インターネットが普及した90年代後半以降は、個性的な名前がさらに増えました。過去の名前を検索し、わが子の名前を過去の実例から「少しずらす」ことで、個性を出すことが可能になってきました。

    小林康正・京都文教大教授
    小林康正・京都文教大教授

    「キラキラネームを持つ子どもはかわいそう」と言われることがありますが、実際はどうでしょうか。私が学生たちに行ったアンケートでは、「名前を読み間違えられた経験がある」学生の方が、そうした経験のない学生よりも「自分の名前が好き」という割合が高い―との結果が出ました。音や漢字に親が思い入れを持って名前を付けたことが、本人の愛着の強さに関係している可能性があります。

    少なくとも、「読みづらい名前を持つからと言って、子どもが名前を嫌いになるとは限らない」ということは、言えるでしょう。

    キラキラネームに反対の人が多い理由はいくつか考えられますが、最大の要因は、大正時代後期~1980年代までの約60年間、型通りに名付けられた、読みやすい名前が多かったことにあるでしょう。それ以前は、難読の名前が多くある一方で、読み間違えることにも社会は寛容でした。

    名付けは今、変動期にあります。「型」がなくなったので、個性的な名前は今後も増える可能性があります。

    公共性の観点から言うと、人は自分が好きではないものも、受容しなければいけない時があります。「そういう名前も、あってもいいよね」という空気が広がると、住みやすい社会になると思います。

    取材・文/酒谷信子(北海道新聞記者)

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