• プレーパーク継続 子どものびのび

    桑園公園で開かれたプレーパーク。子どもたちが思い思いに遊んだ=7月17日
    子どもたちが自由に遊べるよう、市民有志が公園や広場に開設する「プレーパーク」が、新型コロナウイルス下の道内でも活動しています。札幌市は感染対策で中断していたプレーパーク推進事業を7月に再開し、まん延防止等重点措置が北海道に再適用された2日以降も継続。札幌市外でも複数のプレーパークが開かれ、保護者は「子どもが思い切り体を動かせる」と歓迎しています。

    自由な外遊びの場 コロナ下でも

    7月17日、札幌市中央区の桑園公園でのプレーパークに親子連れら延べ約200人が訪れました。大人が見守る中、子どもたちは砂場遊びや玉転がしに熱中。たらいに水を入れてカラフルなボールを浮かべたり、車輪付き台座に乗って動かしてもらったりする子もいました。小学1年と3歳の娘2人を連れた後藤里紗さん(41)は「コロナでイベントが少ない中、子どもたちが屋外で普段できない遊びを楽しめました」と喜んでいました。

    運営団体「桑園あそびばプロジェクト」事務局長の寺坂崇さん(43)は「子どもが自分でいろいろと試したくなるよう工夫しています」。代表の柴田伸俊さん(69)は「小さな子どもは多くの人と関わることで、人見知りがなくなるなど行動が変わっていきます。この大切な時期に、みんなと安心して遊べる場所をつくれれば」と話します。9月12日も同公園で開く予定です。

    台車

    札幌市は子どもの創造性を育もうと2011年度からプレーパーク推進事業を始め、承認団体にロープやバケツを無料で貸し出し、開催予定をネットで紹介しています。事業を受託する市公園緑化協会の沖野優子さん(39)は「札幌市のような形で行政がプレーパークを支援するのは全国的に珍しい」といいます。

    本年度は7団体を承認し4月から事業を始めましたが、重点措置が適用された5月上旬から中断し、重点措置の解除を受け7月17日から再開しました。秋元克広市長は同21日、感染防止に向けた市民へのお願いで「子どもの成長に資する施設は一部開館する」と表明し、プレーパークも当てはまるとみなされました。重点措置が再び適用された後も、同じ対応を続けています。8月は今後、推進事業としてプレーパークが計12回開かれる予定です。 

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    道内団体「心の栄養に」

    推進事業の中断中、独自で“遊び場”を開いた団体もあります。円山公園が拠点の「さっぽろ冒険遊びの会」は遊具を減らして開催告知をやめた一方、推進事業では月1回だった開催を週1回に増やし、1回の時間は3分の2に短くしました。世話人の岡村恵子さん(54)は「コロナで遊び場に困っている親子のため小規模でも開きたかったんです。結果として、少ないスタッフでも対応できるようになりました」と話します。

    道内のプレーパークの連絡団体「あそびばネット北海道」(札幌)によると、札幌以外では北見市や岩見沢市、胆振管内安平町など5市町で今後もプレーパークが開かれる予定です。

    安平町追分では今年5月から、住民団体「おいわけ遊び場O!en(おうえん)隊」が緊急事態宣言中を除きプレーパークを週2~4回開催しています。多いときは30人以上が手作りブランコや水鉄砲で遊んでいるそうです。団体のプレーパーク担当で町地域おこし協力隊員の鈴木宙夢(ひろむ)さん(25)は「年齢や地域を問わず子どもたちが交流できています。遊びは子どもたちの心の栄養だと思います」。今後は児童の発案で森の中にカフェをつくるつもりです。

    子どもの発育や発達に詳しい札幌国際大の蔵満保幸学長は「幼児から小学校低学年にかけては脳の神経系が発達し、筋肉も作られる大事な時期。五感を使って体を動かし成長を促す外遊びは、決して不要不急ではありません。感染対策をしているプレーパークであれば、神経質にならなくてもいいのでは」と指摘しています。 

    保護者も一息ついて

    「さっぽろ冒険遊びの会」世話人で、「あそびばネット北海道」代表でもある岡村恵子さんに、プレーパークの楽しみ方を聞きました。

    プレーパークは子どもが自分の責任で自由に遊べるよう、「原則無料で出入り自由」「プログラムなし」「禁止事項は少なく」が特徴です。汚れてもいい服装で着替えや帽子、虫よけがあると安心です。大人はマスクが必須。子どもは適宜使いましょう。

    感染対策として運営側が密を避ける工夫もしています。例えば砂場で遊ぶ子が増えたら、スタッフが別の遊びを仕掛けて興味の対象が変わるよう促します。

    保護者は場の雰囲気に慣れたら、周りの子の様子も見てみると、何かしら発見がありますよ。そこにいる全員で子どもを見守りつつ、大人同士も感染対策に気をつけておしゃべりし、一息つきましょう。保護者の気持ちが落ち着くと子どもも楽しく過ごせます。

    取材・文/町田誠(北海道新聞編集委員)

    プレーパーク
    既存の遊具だけでなく周囲の自然も活用しながら子どもが創意工夫して遊べる場をつくる運動。1943年にデンマークで始まり、日本では400団体以上が活動中とみられる。「自分の責任で自由に遊ぶ」のが原則で、大人は本当に危険な場合を除き口を出さない。一緒に遊んだり緊急対応したりする大人として研修を受けた「プレーリーダー」を置く。

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