• 2020/06/11

    コロナ禍の子育て、頼れるアプリ 託児依頼や悩み共有/外出先の「3密」情報交換

     新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、子育て中の母親たちがアプリや会員制交流サイト(SNS)を活用し、託児を依頼したり、悩みを共有し、交流する動きが広がっている。転勤族で近くに親族や友人がいない人のサポートや「3密」を避ける情報交換も行われており、支え合いにつながっている。(野呂有里、金子俊介)

    孤立防ぎ支え合う場に

     「週末に急な仕事が入ってしまった」。スマートフォンのアプリ「子育てシェア」を通じて託児を引き受けている札幌市西区の主婦小倉真美さん(38)のスマホに依頼が届く。

     アプリはアズママ(横浜市)が運営し、事前登録と面談を経た顔見知りの会員同士で子どもを預けたり、預かったりする。1時間500~700円または無料で、賠償責任保険も適用される。会員数は全国で約7万5千人。道内は感染が拡大した2月に前年比4割増と急増し、約1800人が登録する。

     小倉さんは救急救命講習などを経て、託児や親子と地域住民の橋渡しを担う「ママサポーター」と呼ばれる世話役の会員。医療機関で働く母親らの依頼を受け、多い時で月4回託児をする。20日には会員らに呼び掛け、地元の公園の清掃ボランティアを企画。「顔が見える関係を通じ、地域の交流に広げたい」と話す。

     外出先の「3密」回避などに母親たちの情報網を生かそうと、釧路市の子育て支援サークル「Haport(ハポート)」は3月、無料通信アプリ「LINE」のグループを立ち上げた。約170人が登録し、公共施設の混み具合やマスク、消毒液の購入先などを投稿している。

     妊婦の相談を受けるページもある。釧路市で夏に第2子の出産を控える30代女性は、感染の不安から九州の母を呼ぶことを諦めた。長男(2)の世話が心配と投稿すると、先輩ママが保育サービスを紹介してくれ、「一人じゃないと感じられた」と安堵(あんど)する。ハポートの伊藤美也子代表(43)は「行政サービスを比べたり、身近な生活に関心を持つきっかけにもなる」と話す。

     旭川市のNPO法人「ペアレントサポート」は、5月から月2回、オンライン会議システムで発達障害のある子の親が参加する茶話会を始めた。自らも発達障害の娘を育てる佐藤隆子理事長(54)は「悩みを共有する親同士だと、話しやすい」と活用に期待する。

     「学校が始まってからの方が親は相談の時間が取りやすい」として、当面、継続する方針だ。

     札幌市で3カ月の長女を育てる村田かおるさん(42)は11日、0~1歳児の母親向けのオンライン雑談会(https://sapporomama.peatix.com/)を開く。育児教室が中止になるなど、ママ友と知り合う場がなく、「マスクを外して歩けるようになった時のつながりになれば」と期待する。

     札幌大谷大の梶井祥子教授(家族社会学)は「地域社会で親子に目配りできる環境が少ないため、SNSの交流を促されている面もある。見知らぬ人同士が突然つながることのリスクもあり、行政も親子のための支援を急ぐ必要がある」とする。


    トップ画像説明/アプリ「子育てシェア」を使う小倉真美さん。オンライン環境を生かし、ママ同士のつながりをつくる試みが始まっている