子育て包括センター続々 本年度、美唄など6市町に

美唄市が10月に開設した子育て世代包括支援センター

美唄市が10月に開設した子育て世代包括支援センター

妊娠から出産、子育てまでを一体的に支援する「子育て世代包括支援センター」の開設が、空知管内の自治体で相次いでいる。本年度に入り、美唄や新十津川など6市町が新たに設置。子育て世代のさまざまな相談に応じ、支援につなげるワンストップの窓口としての役割が期待されており、各部署や関係機関との連携が鍵となっている。

美唄市は10月、市保健センター内に市子育て世代包括支援センター(愛称・みまもるカフェ)を開設した。約30平方メートルの会議室を改装し、ベビーベッドや授乳スペースなどを設置。絵本作家のそらさん(札幌)に入り口の壁面のデザインを依頼し、緑やオレンジ色を基調とした明るい雰囲気とした。

妊産婦や子育て中の市民が自由に利用でき、保健師ら約10人が相談に応じる。妊娠届を提出する際には保健師が面談し、全ての妊産婦に対し妊娠中から出産、さらに生まれた子どもが就学するまでの総合的な支援につなげるプランを作成。LINEによる相談も始めた。同センターの担当者は「美唄で安心して子育てができる体制を整えたい」と話す。

子育て世代包括支援センターは、国が努力義務として全国の市町村に設置を求めている。さまざまな部署にまたがる妊娠や出産時の健康福祉、子育て支援などを一体化し、切れ目なく支える狙い。管内では本年度、美唄と砂川、夕張、月形、栗山、新十津川が新たに始め、24市町のうち既に18市町で開設されている。

妊産婦の環境や子どもの成長に応じて変化する悩みを早期に把握し、適切な支援につなげるには役所内の各部署、臨床心理士や助産師など各職種との連携が不可欠とされる。

2018年にセンターを開設した南幌町は、乳児健診に保育所の担当者が関わったり、健診後にそれぞれの子どもの状況を話し合う会議を開くなどして情報共有に力を入れる。管轄する町保健福祉課の谷藤朋代主幹は「センターの開設で、個別に体系的な支援プランを作れるようになった。さまざまな職種の職員が関わり、子どもや保護者と顔の見える関係を築くことが欠かせない」と話した。(斉藤千絵)

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