連載コラム「瀬川院⻑のすくすくカルテ」第20回
子どもの新型コロナ感染症、どんな特徴があるの? 家庭で感染 無症状、軽症多く
Q.質問
今年6月から保育園に行きだした1歳の長男が、秋になってから頻繁に熱を出しています。そのたびに新型コロナではないかと心配するのですが、子どものコロナはどのような特徴があるのでしょうか。
A.回答
小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染者数が成人に比べ圧倒的に少なく、10月13日時点の国内の小児感染者の全感染者に占める割合は、10歳未満で2.4%、10~19歳で5.1%です。小児は成人より感染リスクが44%低いという報告があり、小児に新型コロナはうつりにくいのではと考えられています。
学校や保育所などでクラスターが発生した例はありますが少なく、感染の多くは集団生活からではなく家庭から起きているというのが第1の特徴です。
小児の新型コロナ感染症のもう一つの特徴は、無症状や軽症が多く、重症や死亡が少ないこと。国内では、10月7日時点で死亡例はなく、重篤な肺炎も非常に少ないと報告されています。症状は、発熱(出現頻度43.1%)、せき(同43.4%)、多呼吸・息切れ(同12.6%)など。いずれも症状が出る頻度は成人の半分ほどです。
下痢は小児の方が成人より多く、嗅覚・味覚障害は小児にもありますが、あまり多くはないようです。小児の場合、症状だけで新型コロナ感染症を風邪と区別するのは難しいとされます。
小児が新型コロナに感染した場合、軽症なのでほとんどが無治療もしくは対症療法となっています。実際、国内では小児の新型コロナ感染症の88%が無治療で経過観察となっています。いたずらに恐れる必要はなく、まずは、家族でしっかり感染予防対策を行うことが大切です。
(瀬川雅史=のえる小児科院長)
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