• 子どもも感染、水虫に注意 温泉、プールもきっかけに

    写真はイメージ(sasaki106/ PIXTA)
    大人の男性に多い印象の水虫は、子どもも感染する可能性があります。保護者らが気づかずに放置すると、適切な治療を受ける機会を逃しかねません。家庭内でうつる例が多い一方、温泉や温水プールが感染のきっかけになる場合もあります。

    昨秋、小学5年の次男が水虫と診断された札幌市中央区の女性(40)は「次男は足の指の皮のめくれを気にしていました。かゆみはありませんでしたが、次男が定期的に通う皮膚科で水虫のポスターを見ていたので『水虫かも』と連想でき、医師に相談しました」と振り返ります。

    外用薬を2~3カ月ぬって完治したそうです。再発防止へ「息子が公園で水遊びをしたり、汗をかいたりした後は、タオルで足の指も拭くよう伝えています」と話します。

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    水虫はカビの一種の白癬(はくせん)菌によって皮膚に起きる感染症のうち、足の皮膚や爪にできるものを指します。医師が患部の角層をはぎ取り顕微鏡で見て判定します。

    子どもの足の皮膚はわずかな刺激でもめくれますが、短期間に繰り返しめくれるなら水虫を疑い、皮膚科の受診を。激しくかくと皮膚が傷つき化膿(かのう)する恐れもあります。保護者が「湿疹だ」と誤解してステロイド剤が入った塗り薬を使うと、症状が悪化しかねません。

    湿った傷口から/清潔、乾燥保ち予防

    小児皮膚科も開設する「すみかわ皮膚科アレルギークリニック」(札幌市中央区)では年数件、子どもの水虫の受診があります。澄川靖之院長(49)は「足の皮膚が湿っていて傷口があると、そこから白癬菌が入り水虫になる可能性があります。白癬菌はどこにでもおり、家庭内でうつるとは限りません。露天風呂の通路の石や、プールのギザギザした滑り止めマットでも足に細かい傷がつきます」と注意を促します。

    澄川靖之院長
    澄川靖之院長

    感染防止には足をよく洗い、よく拭いて、清潔と乾燥を保つこと。家庭内ではそれぞれが専用のスリッパを使い、全員靴下をはきましょう。バスマットは共有が避けられれば理想的です。「白癬菌は洗剤に弱く、衣類を分けて洗濯する必要はありません。水虫が気になる家族がいれば早めに治療してください。治療薬を最低4週間塗り続ければ治ります。気になる部分に治療薬を塗ると予防になります」と澄川院長。

    茨城県下妻市の「加倉井皮膚科クリニック」の加倉井真樹院長らの調べによると、2012~13年に同クリニックを受診した13歳以上のうち水虫と診断されたのは約10%。一方、12歳以下では水虫の割合は約1%(63人)でした。

    水虫だった12歳以下の性別は男児が62%で、やや多かったです。年齢は5~6歳が最多で0歳はおらず、最年少は1歳7カ月。家庭内感染の割合は6%で、保育園で感染したとみられる例もありました。初診は5月が最も多く、冬は少なかったです。

    加倉井院長は「『子どもも水虫になるんですか?』と驚く保護者もおり、見過ごされているケースがあると考えられます。放置期間が長いと爪水虫になる可能性も高まり、そうなると抗真菌薬を飲まないと治りにくいです」と早めの治療を呼びかけています。

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    かゆみ訴える人は1割 日本皮膚科学会
    白癬菌 春から夏にかけて増殖

    日本皮膚科学会によると、新たに皮膚科を受診する患者のうち、水虫と診断される人は10人に1人。「水虫はかゆい」と思っている人は多いですが、実際にかゆみを訴える人は10%程度といいます。子どもははだしで過ごす機会が多く、靴下や靴を長時間履く大人と比べて足の皮膚が乾燥しているため、水虫が少ないとされます。

    同学会のホームページの中の「皮膚科Q&A」で、「白癬(はくせん)」=こちら=について詳しく解説しており、参考になりそうです。

    足白癬(水虫)はどうやってうつるのか?という問いには、「温泉や銭湯、水虫患者がいる家庭の足拭きマットにはほぼ100%白癬菌が存在」「そのようなマットを使うと菌が足に付く」と回答。「素足でいれば足が乾燥し菌ははがれ落ちるが、菌が付いたまま靴下や靴を履き続けると水虫になる」と続けています。

    また、冬は白癬菌の増殖が止まって数が減り水虫が治ったように見えますが、症状が出なくなっているだけだといいます。「白癬菌が残っていると、また春から夏にかけて増え、水虫の症状が出る」としています。

    取材・文/町田誠(北海道新聞編集委員)

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