男性の育児参加もっと 「主夫」経験持つ苫小牧・大沢さん 「楽しさ知って」父親交流会や講演に力

男性の育児参加を促す活動に力を入れている大沢巧さん

小学生と中学生の子ども2人がおり、「専業主夫」の経験がある苫小牧市の団体職員大沢巧さん(38)が、男性の育児参加を促す活動に力を入れている。今年から父親同士の交流会を企画、主夫をテーマにした講演会で講師も務める。大沢さんは「男性にもっと育児の楽しさを知ってもらい、男性が積極的に育児に関わることへの偏見をなくしたい」と話す。

大沢さんは妻千絵さん(39)、中学1年の長女、小学1年の長男の4人家族。専業主夫は長男が誕生するタイミングで7年前に始め、当時公務員だった千絵さんが提案した。現在の職場とは別で、9年間勤めた会社を辞める際には周囲から「ヒモになるんですか」と否定的な言葉をかけられ、男性の育児参加への偏見を痛感したという。

一方、1年10カ月にわたる主夫を通じて、長男の子育てに専念して育児の喜びに触れた。「ミルクから離乳食へと食べ物が変わり、首が据わって立って歩くなど日々成長する姿がとても楽しみだった」。専業主夫を終えた後、育児と家事は千絵さんと分担している。

厚生労働省によると、企業などで働く男性の2022年度の育児休業取得率は前年度比3.16ポイント増の17.13%。政府目標は25年までに50%としており、差は大きい。今年から男性の育児参加を促す活動を始めたのは「男性が育児に関わりたくても環境が整っていない。少しでも育児をしやすくしたい」との思いからだ。

知り合いの父親と2人で今年8月、父親が育児の楽しみや苦労を共有する交流会を企画した。父親を含む4世帯が集まり、育休などをテーマに、お茶を飲みながら2時間話し合った。今後も定期的に開く予定で「父子で参加して一緒に遊んだり、専門家に話を聞いたりする企画を考えたい」と意気込む。

主夫をテーマにした講演会の講師も務める予定だ。主夫について多くの人に知ってもらおうと、妻の千絵さんが現在経営するキャリアコンサルティング会社のイベントとして講演会を企画。10月に千絵さんが妻の立場から、11月には大沢さんを含め夫婦2人で講演をする。

大沢さんは「それぞれの家庭がより良く暮らせる選択を、自由にできるような世の中になってほしい。そのための選択肢の一つとして、『主夫』もあることを知ってもらいたい」と話す。(佐藤圭史)

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