連載【0カ月からの育児塾】
赤ちゃんの発達に合わせたお世話のポイントを助産師が解説
生まれたての赤ちゃんは1年間で体重が約3倍に成長します。体だけでなく心も発達が著しい時期です。北海道助産師会会長の高室典子さん(札幌)は「成長の変化が大きく、親の悩みも多い時期」と説明します。赤ちゃんの発達段階に合わせたお世話のポイントを聞きました。
1カ月まで|笑顔を見せ話しかけて
生後1カ月までは新生児期です。ママのおなかで羊水に包まれていた状態から、お産で胎外に出て、誰も抱っこをしてくれないと、赤ちゃんは不安になります。
ポイントは、おなかの中にいた時のように、赤ちゃんの背中が丸くなるよう、やや強めに抱くことです。心の発達では、胎内にいた時は声しか聞こえなかったママやパパの声と顔が一致するようになります。笑顔を見せて優しく話しかけましょう。
1~4カ月|腹ばい遊びがおすすめ
1カ月から4カ月までは、寝ている状態から反り返るなど、少し体を動かしたり、意識して手を握れたりするようになります。筋肉の発達を促すため、うつぶせにして遊ばせる「腹ばい遊び」がおすすめです。手を握るときに親指を中に入れたままの状態が続くと、次の行動に移りにくくなるため、親指は外に出すようにしてください。
また、赤ちゃんは、ママやパパの話を聞いたり、動きを見つめたりするようになります。おむつ替えや着替えなど、生まれた時から声をかけながらお世話することが望ましく、特にこの時期は大事です。行動と言葉を結びつけて学習するため、「育児をする時は、意識して話しかけて」(高室さん)とアドバイスします。
4~8カ月|寝返りなど運動を
4カ月から8カ月までは、寝返りを打つなど成長が目立つ時期です。自力で座るのは難しく、椅子などに座らせると、腹筋がつきにくくなるため、なるべく、寝返りやハイハイなどの運動をさせてあげてください。寝返りの練習で自分で戻れない時は、手伝ってあげましょう。ハイハイは、筋肉や体幹を鍛えます。体を動かすことが、運動能力アップにつながります。この時期、赤ちゃんは手も体の一部と理解しています。おもちゃを持たせるなど手を使う遊びもよいでしょう。
心の発達面の特徴は、自分から話そうとすることです。「うごうご」などと話しかけてきたら、じっと聞いてあげて、話が終わったら、ママやパパからも話しかけることが重要です。
8~12カ月|周りと比べないで
8カ月から12カ月までは、発達の個人差が大きいため、「周りと比べないことが大切」(高室さん)。1歳を過ぎても、歩けない子もいるので、決して焦らないでください。
離乳食を始める家庭もあるでしょう。赤ちゃんにとって、手でものを持ち、口に入れる作業は楽しいことです。食感や味を体験するため、いろいろな食べ物に挑戦させてください。 ママやパパの言葉を理解するようになる時期です。1歳になると、うれしい、悲しいなど、大人と同じように感じることができると言われます。たくさん話しかけてください。
「ママやパパが親らしくなるまで、1年くらいかかります」というのが高室さんの実感です。4~8カ月になると、赤ちゃんの好みがわかるようになり、8~12カ月で、その子に合わせた育児ができるようになるようです。「笑顔で楽しい子育てを」と呼び掛けています。 動画でも、赤ちゃんの発達に合わせた関わり方を紹介しています。
取材・⽂/田口谷優子(北海道新聞記者)
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