江別の和食店がこども食堂「食品ロス学ぶきっかけに」 週末、規格外や余剰食材活用

こども食堂でスタッフ(右奥)から弁当の説明を受ける家族連れ

【江別】市内の企業「セレンディピティ」が、経営する和食店「おきがる和食 居心(イコロ)」(野幌末広町6の1)で毎週土日、「こども食堂」を開いている。同店のスタッフが調理した弁当を、中学生以下には無料で振る舞う。近隣の農家らから規格外の野菜などの提供を受けており、岩田優太社長(37)は「フードロス(食品廃棄)について学ぶきっかけにもなれば」と話している。

和食店は、もともと市内で美容室を展開する同社が今春開業した。美容室や一部店舗に併設した託児ルームの営業を通じ子育て世帯との接点が多い岩田社長が、食育やフードロスについても強く意識するようになり、こども食堂を始めることにした。

11月の最終土日から毎回、最大30人分の弁当を用意。食材は、市内の農家や札幌の鮮魚店などから提供の協力を受けるほか、和食店で余ったものも活用する。店の2階には団体客らに開放していた部屋があり、そこで食べることも可能だ。事前予約制で、中学生までの子どもとその保護者(弁当代は300円)が利用できる。

5回目となる今月10日には、8組27人が来場。ご飯とサンマの竜田揚げにサラダや漬物を添えた弁当と、飲み物を受け取った。家族4人で訪れた市内の小学校教諭(41)は「コロナで子どもたちにとっても制約が多く、新たな交流の場になれば」と期待を語った。

こども食堂は25日でいったん終了するが、来年以降も月1回程度のペースで続ける方針。岩田社長は「イベント的にあまり制約を設けずに受け入れたが、困っている子どもに届ける方法も考えたい」と意欲を示す。

24、25日の予約はまだ一部空きがあり、申し込みはLINEの専用アカウントで受け付ける。(石井昇)

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