連載:子育てと仕事〈2〉 ママにとって働きやすい環境とは?
前回の記事では子育てと両立しながら働くための選択肢について考えました。そこでライフスタイルに合わせて働ける場所の一例として紹介したのが、コールセンターのお仕事。今回は道内のママたちから寄せられた声とともに、働く環境としての側面からコールセンターについて考えます。
仕事に踏み出せないママたちの声
前回も紹介したように、北海道は全国平均よりも、仕事を持ちながら子育てをする女性の割合が低くなっています。その一方で、働きたいけど働けないというママが多いのも事実です。
昨年11月にmamatalkが実施した「再就職・復職」に関するアンケートの中で、「不安に思っていること」を聞く設問に寄せられた最も多い回答は「子どもが病気のときや突発的な休みに対応してもらえるのか不安」という声。続いて多かったのが「育児や家事との両立」、さらに「子どもの預け先」と続きます。
これらの悩みが解消されれば、仕事でも活躍できるママがもっと増えそうです。
社会で必要とされているママたちの力
日本は今、人材不足といわれています。労働力1に対する求人件数を示す有効求人倍率は、北海道全体で1.23(2018年11月)、地域によっては1.82となっているところもあり、今後も人材不足は続きそうです。
しかし、働きたい人の数が少ないのではなく、「働きたいけど働けない」という人が多いのも事実。前出のアンケート結果からも分かるように、今、この国でそんなジレンマを抱えているのは、子育て中のママ層に多いのではないでしょうか。
そこで、ママたちにとって働きやすい環境を整えようと努力する企業が増えています。今回は、そんな取り組みに力を入れている、「トランスコスモス DCC北海道本部」を訪ね、採用担当の方にお話を聞きました。
同社は金融をはじめとするさまざまな企業のカスタマーサービスを担うコールセンターです。「きめ細やかな対応が求められるコールセンターでは特に女性の活躍が不可欠ですから、できる限り働きやすい環境を整えています」と話すのは人財マネジメントを担当する及川聖子さん。自身も5歳と2歳の女の子を育てるママで2度の産休・育休を経て、現在は時短勤務中です。
「ママたちにとって急な休みはつきもの。その場合も収入が減らないよう、シフトに柔軟性を持たせています」と及川さん。ほかにもパウダールームの設置や、家族の理解を促すきっかけとなるファミリーイベントの企画など、女性にとって働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
子連れ面接で“最初の一歩”から支援
とはいえ、これから働き始めようと考えているママにとっては、仕事探しと子どもの預け先探しが、最初にぶつかる壁です。そこでトランスコスモスでは、赤ちゃんも同伴できるよう面接ブースにソファー席を設け、テーブルにはベビーチェアを設置。親の目が届く範囲にキッズコーナーを設けるなど、気兼ねなく子連れ面接が受けられるように配慮しています。また、子どもの預け先が決まっていない場合は、通勤に便利な場所にある提携保育園の利用も可能なので就職後も安心です。
これなら「働きたいけど働けない」というママたちのハードルは心理的にもハード面でもかなり低くなるのではないでしょうか。
実際に、3人の女の子を育てながら1年前からトランスコスモスで働き始めた片山詩野さんに話を聞きました。
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