子育て世代 キッチンカーで支援 釧路・加藤さん販売 4世代集う子ども食堂構想

キッチンカーを前に「忙しいお母さんたちの力になれたら」と話す加藤さゆりさん

釧路市の栄養士加藤さゆりさん(38)が、キッチンカー「イペ」で栄養バランスを考えた弁当やアレルギーに対応した菓子などを販売している。子育て世代のサポートを目的に、8月に始めた。「時間がなくて手作りすることができない保護者の力になれたら」と意気込んでいる。

栄養バランス良い弁当/アレルギー対応の菓子

「イペ」は釧路市と浜中町を中心に出店。野菜が豊富な弁当や動物性食品を使わない弁当、小麦粉や卵、乳製品を使用しない米粉のドーナツなどを取り扱う。台湾の屋台で人気の唐揚げ「ダージーパイ」も好評だ。

加藤さんは浜中町出身。釧路江南高を卒業後、病気にならない体づくりを学ぼうと神戸女子大の栄養学科に進学。卒業後は栄養士の資格や知識を生かして関西のスポーツジム、整体やボディーケアなどができるリラクゼーション施設、親子向けのカフェに勤務した。

その後、関西の保育園で栄養士として勤務。昔と比べて食物アレルギーの子供が増えていることを知ったほか、「子供の食事に気を付けたいが、仕事や家事で手が回らない」という母親たちの声も多く聞いた。「一番心身の悩みがある時期なのに、自分の時間が取れないために、健康を保つサービスを利用しにくい」という現状があると感じたという。

そうした経験から、子供も安心して食べられる弁当やアレルギーに対応した菓子を提供できる店をつくり、子育て世代の負担を軽減したいと考えるようになった。3年前に釧路に戻り、カフェの起業を決意したが、父の急死やコロナ禍が重なり、店舗を出す計画を保留して、移動販売に方向転換した。

将来的には店舗を開設し、4世代が集まれる子ども食堂を開く構想を温めている。加藤さんは「今は移動販売での交流を通じて、釧路の子育て世代がどんなことを求めているのか探りたい」と話している。

現在は毎週金曜午前10時~午後1時に釧路市若松町のショッパーズ菱光駐車場に出店するほか、毎週火曜午前11時~午後3時に浜中町茶内の「Culeva(くれば)シェアスペース」、イベントがない土日は霧多布岬でも出店する。

出店のスケジュールは、同店のフェイスブックやインスタグラムに随時掲載している。(二色朋恵)

この記事に関連するタグ

2024
4/26
FRI

Area

北海道外

その他