北見市、産後ケア拡充 通所時間や利用回数増 1歳未満の母子対象

中村記念愛成病院に設けられた、産後ケアを利用する母子のための和室

中村記念愛成病院に設けられた、産後ケアを利用する母子のための和室

北見市は本年度、出産後の母親を支援する「産後ケア」事業を拡充した。今年4月施行の改正母子保健法を踏まえ、これまで産後4カ月未満の母子に限っていた支援対象を、1歳未満の母子と、その家族に拡大。ケアの種類や利用できる回数も増やし、母親の孤立や産後うつの予防につなげる考えだ。

産後ケアには、母子が助産院などを訪れる「通所型」、助産師が家庭を訪れる「訪問型」、母子が助産所などに泊まる「宿泊型」などがある。助産師が産後間もない母親に授乳や乳房ケアの仕方を教えるほか、育児の悩みを聞き、母親の心身の負担を軽くする狙いがある。

市は2018年度から産後ケア事業を市内の助産院に委託し、母子が1~2時間ほど助産院で過ごす「通所ショート型」と、訪問型の2種類を提供。希望する母親は子ども1人につき3回まで利用していた。

本年度は委託先を増やし、昨年度3カ所だった助産院が計4カ所に、さらに医療機関2カ所も加わった。ケアの種類に、4~5時間利用できる「通所ロング型」と「宿泊型」も取り入れ、ゆったり話ができたり夜間も支援できるようにした。

利用回数の上限は、子ども1人につき5回とした。利用者の1回の負担額はショート型1200円、ロング型2千円、訪問型1200円、宿泊型5千円(上限2回)で、食事代は別。

市健康推進課によると、これまでの利用者数は18年度は93人、19年度は92人、新型コロナウイルスの影響で利用控えがあったとみられる20年度は66人。市が昨年、乳幼児健診に訪れた母親133人に行ったアンケートでは、通所ロング型や宿泊型を「あれば使いたい」との回答が4~5割に上り、市は一定のニーズがあるとみて拡充を決めた。

今月から市の産後ケア事業が利用できるようになった中村記念愛成病院は、母子がくつろげる和室を用意。病棟助産師長の柳美樹さん(44)は「里帰り出産をして周りに相談相手がいない人など、気軽に来てほしい。育児の楽しさを感じて帰ってもらえれば」と呼びかけている。(先川ひとみ)

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