浦河の妊産婦支える力に 助産師の栗原さん 町が採用

浦河町職員として今月から勤務している助産師の栗原礼子さん

【浦河】町は本年度、町保健センター(町築地1)に常駐する正職員の助産師として、福岡県柳川市出身の栗原礼子さん(41)を採用した。専門人材の配置により、妊産婦への支援のさらなる充実を目指す。栗原さんは女性が心身ともに健康に出産し、産後鬱(うつ)にならずに育児ができるよう、「妊娠中から積極的に関わり、サポートしたい」と意気込む。

福岡出身 「何でも気軽に相談を」

町によると、市町村が助産師を雇用するのは珍しく、日高管内では初めて。

栗原さんは1日に着任。保健センターで妊婦や夫を対象に行う「パパママ学級」などの場で妊娠中の過ごし方や体づくり、出産後の授乳、育児について指導する。必要に応じて妊婦の家庭訪問も実施。母子健康手帳の交付時や産後の新生児訪問に合わせ、新米ママらの悩みの相談に応じる。

栗原さんは九州大医療技術短期大学部(現九州大医学部保健学科)を卒業後、助産師として九州大病院や同病院総合周産期母子医療センターなどで勤務し、分娩(ぶんべん)やNICU(新生児集中治療管理室)の新生児のケアに携わった。自身も出産、育児を経験する中で、地域で妊娠、出産、子育てを支えたいと思うようになった。インターネットで正規職員として助産師を募集している自治体を探し、浦河町への応募を決意した。

町保健福祉課によると、昨年度の町内の出生数は74人。妊婦の約半数は浦河赤十字病院で出産する一方、町内には転勤族も多く、他は町外で出産する。出産前後に病院外での日常生活で孤立してしまうなど、病院勤務の助産師だけではカバーしきれないケースもあるという。

栗原さんは「(町内の妊婦は)人数的に多くはないので全員に関われるのではないか。何でも気軽に話してもらい、楽しい妊婦ライフを送れるよう、支援できれば」と話す。町保健福祉課は「近くに専門職の人がいることによって安心感が生まれる」と期待する。(河村元暉)

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