緊急事態宣言で急きょオンライン開催 離乳食教室 試行錯誤し継続

赤ちゃんの人形や食べ物の模型を用意し、パソコン画面越しに離乳食について説明する、市保健福祉センターの管理栄養士たち

赤ちゃんの人形や食べ物の模型を用意し、パソコン画面越しに離乳食について説明する、市保健福祉センターの管理栄養士たち

【士別】新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令される中、市保健福祉センターは乳児の保護者を対象に行う離乳食教室を、オンライン会議システムに切り替えて実施。離乳食の作り方を説明するオリジナル動画も作り、活用している。受講者に直接指導する教室が中止となっても、「何をどう食べさせたらいいか」と悩む親たちへの支援を、試行錯誤しながら続ける。

士別市保健福祉センター 制作の動画活用

「赤ちゃんがもっと成長するために、食べ物を食べる練習が必要です」「赤ちゃんの胃は200cc程度と小さいんです」。6月8日、離乳食を始めたばかりの「初期」の子が対象の教室には、同センターの吐山(はやま)静香さんら管理栄養士が3人が登場。パソコンの分割画面内で、3~6カ月児の母親4人に話しかけた。

おかゆや野菜、肉、魚など月齢ごとの適量や調理法を説明。食べさせ方のコツや、市販の離乳食の利用法、注意点などについて、約1時間紹介した。参加者からは「初めての子で何も分からず、良い機会になった」「上の子から3年空いており、あらためて学べた」などの声が上がった。

市の離乳食教室は、月齢により初期、中期、後期・幼児食の3種。オンライン初回となった5月20日の後期・幼児食教室は、通常の直接指導での開催を予定していたが、14日に道内に緊急事態宣言が発令されたのを受け急きょオンライン開催を試みた。吐山さんは「時間がなく、とにかくやれることをしようと始めました」。関係者全員が動画配信に慣れない中で、当日は3人の保護者が参加してくれた。

昨春は、緊急事態宣言期間を含む約4カ月間、教室を中止。だが「できれば教室に参加したかった」との声が多数上がっていた。職員たちにも中止は避けたいとの思いが強く、丸奈央子食育推進係長は「士別は昔から離乳食を学ぶ場がつくられてきた土地柄。教室を開けないなら別の形で学んでほしかった」と話す。

その思いは、昨秋から約半年かけ制作した、全6回のオリジナル動画づくりにもつながった。1回2~8分。主食、野菜、タンパク質、だしを使った応用など、離乳食に関するテーマをほぼ網羅した。市内の動画制作業者らの協力を得て3月に完成し、YouTubeにアップ。オンライン教室でも一部を活用した。丸係長は「できるだけ顔が見える関係で支援したい」との思いがある一方、「動画をいくらかでも役立ててもらえれば」と話している。市のYouTubeチャンネルはこちら。(大口弘明)

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