小学生発想の物語が絵本に 室蘭の3人 CFで資金集め、ネット販売も

絵本を制作した(右から順に)鈴木工君、森愛菜さん、鈴木琴音さん

絵本を制作した(右から順に)鈴木工君、森愛菜さん、鈴木琴音さん

発達に不安のある子供を支援する室蘭市崎守町の「放課後等デイサービスほたて」は、同施設に通う伊達市の小学生3人がそれぞれ考えた物語を、3冊の絵本にして出版した。クラウドファンディング(CF)で製作費を募ったところ、約30万円が寄せられた。施設責任者の黒田悠士さん(34)は「作品を多くの人に見てもらうことで、児童や保護者が自信を持つきっかけになれば」と話している。

絵本は、アイスクリームを勝手に食べた犯人を捜す鈴木工君(11)作の「たくみたんてい」、人魚と友達になる森愛菜さん(11)作の「ぴったんこのだいぼうけん」、イカの生活を描いた鈴木琴音さん(9)作の「いかせいじん」の3冊で、ユーモアに富んだ内容だ。いずれもB5判、カラー20ページ前後。表情豊かな登場人物などのイラストも3人が色鉛筆で描いた。

絵本づくりのきっかけは、3人が同施設や学校で考案した物語、イラストを黒田さんが見て「子どもたちの発想を絵本にできないか」と思いついたこと。2月下旬にCFを始めたところ、道内外の教育や福祉施設などから寄付が集まり、3月末に目標金額の30万円を達成。製作に着手し、今月中旬に完成した。

絵本には、作者の紹介と顔写真も掲載されている。鈴木工君は「多くの人に読んでもらって笑顔になってほしい」、森さんは「表情にこだわって描くことができた」、鈴木琴音さんは「出来上がった本を見てとてもうれしかった」とそれぞれ話した。また、黒田さんが絵本3冊をタレントの所ジョージさんに宛てて送ったところ、「いい仕事しているね」と書かれた返事が届いたという。

約100部ずつ製作。室蘭市を通じて市内の小学校や図書館に寄贈されるほか、インターネットで1冊1200円(送料別)で販売している。

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