AIドリル、江別市立全小中に 先行導入好評、市教委4月から

市内の全公立小中学校に導入されるAIドリル。子どもたちは1人1台配布されたタブレット端末などで使用する

【江別】市教育委員会(市教委)は4月から、市立の全小中学校に人工知能(AI)を活用したAIドリルを導入する。児童生徒の学力向上が狙いで、本年度、先行導入した一部小中での実績から判断した。中学校では定期テストなどを自動採点するシステムの利用も始め、教員の業務負担の軽減につなげる。

AIドリルは道内では根室市が本年度、全小中高校で導入している。江別では全小中学生に配布されるタブレット端末を使用。小学校が国語、社会、算数、理科と外国語(英語)の5教科、中学校は主要5教科に音楽、美術、保健体育、技術・家庭を加えた9教科に対応する。

ドリルは答えを記入すると正解や解説が示され、児童生徒の理解を助ける。特に算数と数学については正解すると応用問題に進み、間違えるとつまずいた箇所にさかのぼって問題が提示されるなど習熟度に合わせた学習ができる。学校側も各問題の正答率を把握でき、指導に役立てられる利点がある。

市内では本年度、小学校17校のうち9校、中学校8校のうち4校がドリルを先行導入した。各校は小テストや長期休暇の宿題などで使用。学校側から「子どもたちの理解度がつかめる」などの声が寄せられ、好評だったという。

利用料は1人当たり年間1100円。初年度は国の補助金も活用し、市が全児童生徒分の約2千万円を負担する。次年度以降は、一部を保護者負担とすることも検討している。

一方、中学校の自動採点システムは、6月ごろに導入する。教員が生徒の提出した解答用紙をパソコンに接続したスキャナーで読み込むと、システムが解答を認識し、自動的に正誤を判別する。解答用紙に採点結果を書き入れ、生徒のタブレット端末に送ることもできる。

市教委は教員の業務時間について、中学校8校で合わせて年間約千時間短縮できると試算する。費用は年間約80万円を見込む。

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