保育所選考にAI導入 小樽 職員6人で丸2日の作業が2分に 保護者通知も早まる

小樽市が保育所入所選考に導入したAIシステムの画面

年度替わりを控えピークを迎えている認可保育所の入所選考で、小樽市は4月分から人工知能(AI)を本格的に導入した。職員6人が丸2日かけていた作業が2分で完了。職員の負担が減った上、保護者への結果通知も従来より早まっており、市は保育サービス向上につながったと手応えを感じている。

道によると、道内で保育所選考にAIを導入した自治体は「聞いたことがない」という。

小樽市は、認可保育所への入所を希望する場合、保護者の勤務時間や家庭の状況、育休明けかどうかなど、さまざまな事情を点数化して優先度を決める。4月入所の応募件数は毎年約300人で、2月下旬の応募締め切り後は、担当職員がパソコンで申請書のデータを打ち込み、点数に応じて対象の27施設に振り分けていた。作業は煩雑で、深夜まで残業を繰り返し対処していた。

市は選考作業の効率化を図ろうと本年度予算にAI導入経費として800万円を計上。試験運用を経て2月から本格的に導入した。AI導入後も、申請書のデータを手作業で入力する手間は残るが、大幅な効率化が実現し「職員が残業する必要もなくなった」(子育て支援課)という。

作業スピードが早まり、選考結果の保護者への通知は、従来より3日程度短縮。市子育て支援課は「通知を早く出せるようになれば、希望に添えなかった場合でも保護者は次の対応に速やかに動ける」とメリットを強調する。

市は今後、AI導入の効果を詳しく検証し、庁内のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を推進する考えだ。利用申し込みの際の申請書も電子化を検討する。

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