安平・早来学園の地域開放が好調 6月までに2千人超が利用

早来学園の地域開放事業を活用し、布飾りを作る講座を開く阿部さん(右)。地域住民らの利用が広がっている

【安平】町内で4月開校した義務教育学校「早来学園」の設備を、学外者に開放する事業「まなびお」の利用が好調だ。本年度は無料で使え、会議室や体育館など予約が必要な9施設は、6月末までにスポーツ少年団の活動や住民主催のイベントなどで延べ2千人超が活用した。予約不要の図書室にも町民が訪れており、学園が地域交流の場としても機能しているようだ。

予約して使える学内施設は体育館に当たる大アリーナと中アリーナ、会議室、屋外グラウンドなど。児童生徒や教員が使わない時間帯に開放され、希望者は専用のウェブサイトから予約する。図書室に常駐するコンシェルジュ(案内役)に予約の代行を頼めるほか、利用方法の相談もできる。

町教委によると4月~6月末の予約件数は251件で、延べ利用者数は2121人。地域のスポーツ少年団や運動団体の定期的な利用が137件と約6割を占める一方、残り約4割は個人や団体が開くイベント、企業の打ち合わせなどだった。町教委は「スポーツ以外での利用が想定よりも多い。施設の新しさや町の中心部にあるアクセスの良さが理由では」とみる。

町内のハンドメイド作家の阿部亜友美さん(37)は、布飾りを作る講座をキッチン(家庭科室)やアトリエ(美術室)で3回行い「学園のミシンも借りられるので、教室を開きやすい」と話す。町内外の児童約10人が参加する早来アクティブバレーボール少年団は週2日ほど大アリーナを使って練習し、保護者代表の福田紳太朗さん(38)は「スマートフォンで予約できて便利。施設も広く、町外のチームを招いた合同練習に使いやすい」と評価した。

予約不要の図書室にはコンセントのある座席や食事を取れるスペース、Wi-Fiが整備されている。コンシェルジュを務める地域おこし協力隊の早川大輝さん(28)は「読書や休憩をする人のほか、ノートパソコンを持ち込んでリモートワークをしている町民の姿も見られます」と話す。

予約が必要な9施設は、「まなびお」の周知を目的に来年3月末まで利用無料とし、2024年度以降は維持管理費を踏まえて有料化を検討中だ。町教委は「町内の他施設の利用料と照らし合わせながら決めたい」としており、町民の利用に限って割り引く制度も検討する。図書室の利用は24年度以降も無料とする。(本田みなみ)

この記事に関連するタグ

2024
5/19
SUN

Area

北海道外

その他