子育て世帯の防災力アップを 釧路の3人が「ネット」 グッズなど情報提供

「防災グッズ買い物ツアー」の参加を呼び掛ける相座さん(右)と古地さん

「防災グッズ買い物ツアー」の参加を呼び掛ける相座さん(右)と古地さん

子育て世帯の防災力を高めるため、避難グッズ準備の支援や情報発信などを行う市民団体「マモレルウゴケル 防災力向上ネットワーク」が釧路市内で発足した。立ち上げたのは女性3人。道東沖で超巨大地震が発生する可能性が指摘される中、災害時でもスムーズに行動できる力を身に付けてもらうことを目指している。

メンバーは市内でシェアオフィス「くしろフィス」を経営する相座聖美さん(41)とスタッフの桂川いずみさん(39)、利用者でライターの古地優菜さん(35)。相座さんが代表を務め、今月から活動を始めた。

今月9日には最初のイベントとして「防災士と行く防災グッズ買い物ツアー」を釧路町のホーマック木場店で開く。2月にはグッズを試用した上で必要なものについて検討する会、3月には極寒期の夜間の学校での避難体験会を開催。参加者間で災害時にも助け合える関係性をつくってもらう。日ごろの備えや避難場所の情報などを集約するウェブサイトの開設も予定している。

相座さんは以前から、災害対策のために何かできないか考えていたという。2018年9月の胆振東部地震から1年がたった昨年、3人で発生時を振り返っていた時に思いを共有し、団体発足につながった。

釧路市は地域防災計画で高齢者や乳幼児らを「要配慮者」と位置付け、災害時に避難の支援を行う方針を打ち出しているが、相座さんは「助けを待つのではなく、自分で生き延びる準備が必要」と訴える。2児を育てる古地さんは胆振東部地震発生時にミルクの確保に苦労した経験を踏まえ「情報収集や必要な物資の準備の機会が必要だと思った」と話す。

団体は今後、ニーズを踏まえ、介護が必要な人や障害がある人など災害弱者向けのイベント開催も検討する。相座さんは「大変さを嘆くのではなく、相手の大変さを理解することで助け合いにつながれば」と話している。

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