爬虫類、最後まで育てて 札幌・北のワニ舎、飼育体験や講座 命の大切さ、子どもたちに伝えたい

1日飼育員としてカメの世話をする子どもたち

1日飼育員としてカメの世話をする子どもたち

飼い主に捨てられた爬虫(はちゅう)類の保護や譲渡に取り組む札幌の一般社団法人「北のワニ舎」(武藤卓也代表)が、昨年11月に札幌市手稲区前田8の10にオープンした爬虫類館「北のレプ舎」で、子どもたちに爬虫類の生態や命の大切さを教えることに力を注いでいる。飼育放棄を減らす狙いで、小学校の冬休み中には1日飼育員体験を実施。今春からは爬虫類についてより詳しく教える講座も始める。

カメやトカゲが風邪をひいていないか、真剣な表情で涙や鼻水を確認する子どもたち。餌のなくなった皿を下げると、次は水槽の水を交換した―。

1月中旬、同館で行われた飼育員体験。参加した児童たちが忙しく動き回っていた。道教育大付属札幌小2年の武井晴椰(はるや)君(8)は「動物の体調を見極めるのが難しい」と話しながらも「いろいろな爬虫類を触ったり、観察したりできて面白い」と笑顔を見せた。

小学生対象の1日体験は、市教委と市動物管理センターの後援を受けて企画した。児童は約20種50匹の爬虫類の健康チェックや餌作り、床やケージ内の清掃を体験。昨年12月27日から1月22日に計18回実施し、計60人が参加した。武藤代表は「実際に世話をすることで、飼い続けられるかどうか判断する力を養ってもらいたかった」と話す。

北のレプ舎は保護したカメの飼育・譲渡や活動費の確保につなげようと、有料の爬虫類館を昨年開業。館内では道内で保護したミドリガメ25匹を飼っており、1日飼育員には「軽い気持ちで飼うと、この子たちのような生き物を増やしかねない」と伝えた。

4月からは毎月2回、爬虫類の生態や生物の多様性などを教える小学生向けの連続講座「北の校舎」も始める。講座では課外授業として、札幌近隣の川での外来種の調査も行う予定で、武藤代表は「人が捨てなければ外来種として悪者扱いされることがないことも学んでほしい」と話している。問い合わせは北のレプ舎、電話011・215・7448へ。

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