不登校の子ども宅、訪問して助言 岩見沢の米沢さん 新たな形のフリースクールに力

フリースクール輝が主催する異世代交流のイベントで、子どもたちとパズルをする米沢護恵さん

フリースクール輝が主催する異世代交流のイベントで、子どもたちとパズルをする米沢護恵さん

【岩見沢】不登校の息子たちを育てた経験がある市幌向の米沢護恵(もりえ)さん(49)が、学校を休んでいる子どもの自宅などを訪問し、話し相手になったり一緒に勉強したりする「訪問型フリースクール」の活動に取り組んでいる。訪問型は道内でも珍しい。米沢さんは「子どもたちそれぞれの考えを尊重し、前に進む支えになれたら」と願っている。

米沢さんは、夫の転勤で約20年前に岩見沢に住み始めた。双子で生まれた息子たちが学校を休むようになったのは、長男が小学5年、次男が中学2年の時。当時は市内に相談できる場も少なく、「進学はできるのか」「このままずっと学校に行けなかったらどうしよう」と悩んだ。

さらにつらかったのが、「子どもが怠けているだけでしょ」「無理にでも学校に行かせないと」という周囲の心ない言葉だった。米沢さんは息子たちのことを知る一助になればと「チャイルドカウンセラー」の資格を取得。登校を強いずに家を安心できる場にすること、運動や旅行などを通して社会とのつながりが保てるようにすることを心がけた。

現在21歳になる息子たちはそれぞれ2年ほど学校を休んだ後、進学して大学生になり、今はシェアハウスやアルバイトなどをして学生生活を楽しんでいる。

米沢さんも自身の経験を役立てたいと、昨年2月に「訪問型フリースクール 輝(ひかり)」を立ち上げた。名前は、活動の原点である息子2人に共通する1文字から命名。1カ所に集まる従来型のフリースクールではなく、訪問型にしたのは「不登校になる理由も子どもたちの考え方もさまざま。個別に向き合う場が必要」との思いからだった。

訪問料金は1時間5千円。新型コロナウイルスの影響で、現在は自宅への訪問はないものの、喫茶店などで保護者らの相談に応じている。また子どもや大人が集まってゲームなどを楽しむ無料の異世代交流イベントを毎月第3日曜に、市生涯学習センターいわなびで開催。午後1時半から5時までで入退場は自由だ。  米沢さんは「子どもが突然、不登校になり、戸惑う親は少なくないはず。同じ経験をした友人に話すような気持ちで、気軽に相談してほしい」と話す。(斉藤千絵)

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