ママと子どもの一枚、記念日じゃなくても 猿払の酪農家兼写真家の森原さん 自然な表情や親子での写真が人気

牧草ロールに座る母子の様子を切り取った写真(森原さん提供)

【猿払】「お母さん、わが子を抱っこしている写真を持っていますか」―。村在住の酪農家兼写真家の森原志織さん(36)が宗谷管内を拠点に、母子の日常を撮影している。自身も3児の母。依頼を受けると牧場や散歩道などで写し、自然な表情を切り取った一枚が人気を集めている。

写真に収めるのは、柔らかな表情を浮かべ、何げない日常を楽しむ親子の姿。牧草ロールの上に座ったり、広い草原を走り回ったり。母が子どもを胸元に抱き寄せ、持ち上げて「高い高い」をする姿も。「百日祝いや七五三じゃなくても、お母さんと子どもの様子を写真に残してほしくて」と森原さん。

母子の写真を中心に撮影する森原さん

猿払村出身。根室管内中標津町で会社員として働き、2014年に故郷へ戻った。子どもたちが保育所に通い始め、2年ほど前から余裕のできた時間にカメラを触るようになった。本やインターネットで独学した後、沖縄県在住の写真家から撮影や編集の技術を教わった。

今年2月、母子写真を中心に撮影する写真家として活動を始めた。育児の経験から「子どもだけ、父と子どもの写真はあっても、自分(母)と子どもの写真がない」と感じたためだ。夫とともに約70頭の牛を飼育する傍ら、月4~5件の依頼に応える。1時間で約300枚のシャッターを切り、100枚超をデータなどで提供する。料金は1万6千円から。

猿払に加え、稚内市や浜頓別、中頓別、枝幸の3町にも出張し、「自然な雰囲気で撮ってもらえる」と、リピーターも増えつつある。一押しは自身の牧場で撮影する「牧場ロケーションフォト」。間近で牛と触れ合ったり、緑一面の景色を味わったりしてもらいながら撮る。「撮影をきっかけに、気軽に牧場へ足を運んでもらえるようになったら」と期待する。

森原さんの写真はインスタグラム(@shiori_photo__)で見ることができる。(菊池真理子)

この記事に関連するタグ

2024
5/19
SUN

Area

北海道外

その他