親子向けイベントで交流の場3年 くっちゃん子ども子育て応援し隊 PopkeLab代表理事・松井さん

「地域の人に子育ての輪に加わってもらう橋渡し役になりたい」と語る松井さん

倶知安町内の母親でつくるボランティア団体「くっちゃん子ども子育て応援し隊 PopkeLab(ポッケラボ)」が、10月で発足から3年を迎える。親子向けのイベントや育児講座を開催し、母親、父親らの不安解消や交流の場づくりに取り組んできた。代表理事の松井雅子さん(44)に、活動の成果や子育てを取り巻く地域の現状を聞いた。

育児の不安 地域で支援

――ポッケラボの活動を始めたきっかけは。

「移住者や転勤族が多い町で、子育ての悩みや不安を抱えるお父さん、お母さんを支えたくて発足させました。私自身、海外から帰国後に町内のホテルで働き、夫と結婚し、出産。夫婦とも実家が遠く、縁のない土地で子育てする大変さを痛感したからです」

――活動の手応えはありますか。

「親子で参加できるイベントを企画したり、母親同士が情報交換する機会を設けたり、子連れで利用できる飲食店などをまとめたマップを作ったりと、ひたすら突っ走った3年間。周りに頼れる人がいなく孤独を感じる方や、子育て情報を求める方にたくさん出会いました。少しでも居場所や安心を届けられているのでは、と思っています」

――イベントは毎回盛況のようですね。

「科学実験や木工クラフト、雪像作りといった体験のほか、子ども服のおさがり市など、年4、5回ほどイベントを開いています。6月からは月1回、町公民館で育児講座も始めました。メンバー4人だけの力ではできません。地域のすてきな人材や団体を見つけて、一緒に活動してもらう。点と点をつなぐようにして、だんだん盛り上がってきました」

――住民との連携でいえば、町教委が本年度、全小中学校に「コミュニティー・スクール(CS)」制度を導入し、ポッケラボも運営に関わっています。

「先生役となって授業する町民を選ぶお手伝いをしています。子どもたちが多様な職業の地域の大人と触れ合い、社会勉強ができるのがCSの魅力の一つ。地域住民を頼った学校運営になってもらえればと思っています」

――町の子育て環境は整っているのでしょうか。

「共働き世帯が多いのに、一時預かりの体制が不十分です。リゾート地として日曜祝日や夜間でも対応してくれる託児所があるのが理想で、地域全体で助け合う仕組みも必要です」

――「ファミリーサポート」という制度の導入を訴えていますね。

 「育児を手伝ってほしい利用会員が子どもの面倒を見られない際に、提供会員が一時的に有料で子どもを預かる仕組みです。俱知安町では導入されていません。ファミリーサポートをはじめ、町の事業などに幅広く協力できるよう、法人化に向けた準備を進めています」

――今後の活動を教えてください。

「後志管内の他市町村のボランティア団体などとの連携も強めています。10月16日には屋内で体を動かして遊べる初の催し『しりべしファミフェス』を俱知安町総合体育館で開くので、ぜひ親子で来てくださいね」


まつい・まさこ 1978年、福岡県生まれ。米国カリフォルニア州の大学を卒業後、国内外でのホテル勤務などを経て、2005年ごろ俱知安町に移住。19年10月、ポッケラボを発足。町教委地域学校協働活動推進員も務める。小5から幼稚園児の2男1女の母。

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