障害児施設、親が新設 鶴居に来月「放課後デイ」 家での負担軽減、村も助成

鶴居村で放課後等デイサービスの開設作業を進めている角田めぐみさん

鶴居村で放課後等デイサービスの開設作業を進めている角田めぐみさん

【鶴居】釧路管内鶴居村で、障害のある子どもの保護者らが4月、学校の授業終了後や休業日に障害児を預かる施設「放課後等デイサービス」を開設する。村内に障害児の通所施設がなく、新型コロナウイルスの感染拡大で休校が続くと、保護者が長時間自宅で面倒を見ざるを得ず、負担が増していた。保護者らが昨秋NPO法人を立ち上げ、開設資金は村と出し合う。

障害児教育に詳しく、法人理事長を務める道教大釧路校の小渕隆司准教授は「放課後等デイサービスは民間業者や社会福祉法人が開設するものが多く、保護者と自治体が協力する例は全国的にも珍しい」と話す。

村では10年以上前から、共働きの保護者らの負担を減らすために、学校以外で障害児の通える施設を求める声があったものの、財政面から実現していなかった。

昨年の新型コロナ流行では休校が続き、保護者が心身共に疲弊する問題が起きた。村内の小学校教諭角田めぐみさん(39)が障害児の親たちに様子を聞くと、「耐えられない」「このままでは心中してしまう」などの悲痛な訴えがあった。

自身も重度の知的障害のある子を育てる角田さんは「障害児も安心して過ごせる居場所をつくりたい」と、保護者らと協力して、放課後等デイサービスの開設を決意。昨年11月にNPO法人「ソレゾレ」を設立した。

村も支援を決め、建設費1930万円のうち、村の支出と道の補助金で1290万円を負担した。

大石正行村長は「公共性が高い事業と判断し、村として支援を決めた。村民の安心にもつながる」と話す。角田さんも「高齢者のボランティアを受け入れたり、近くの牧場へ遊びに行ったり、地域全体で子どもを育てるような施設にしたい」と力を込める。

ソレゾレは、建設費などの一部200万円をクラウドファンディング(CF)サイトの「キャンプファイヤー」で募っている。

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