• 人口10万人以上、道内9市の乳幼児健診 「10カ月」未実施、旭川市だけ

    自治体が行う乳幼児健診で、人口10万人以上の道内9市のうち、旭川市だけが10カ月児健診を行わず、定期健診の回数が1回少ないことが各市への取材で分かった。今月、市内の夫婦が乳児の死体遺棄容疑で逮捕された事件で、市は昨年2月の4カ月児健診に伴う家庭訪問の際、夫婦の次女の生存を確認したが、その後はこの家庭に関わる機会がなかった。10カ月は育児に悩みを抱えやすい時期ともされ、よりきめ細やかな母子支援が求められそうだ。

    遺棄事件「4カ月」後の空白課題に

    国は母子保健法で1歳6カ月児と3歳児の健診を義務づけている。人口10万人以上の函館市や釧路市など8市はさらに、任意で生後4カ月と10カ月を対象に計4回実施。札幌市は必要に応じて5歳児健診も行う。

    これに対し、旭川市の乳幼児健診は生後4カ月と1歳6カ月、3歳6カ月の3回。今回の事件で、次女は昨年1月の4カ月児健診が未受診だったことから、保健師が翌2月に自宅を訪問し、安否を確認したのが最後となった。市が母子に積極的に関わる機会は、乳幼児健診や生後まもなく行う新生児訪問以外にはなく、市子育て支援部は「4カ月から1歳6カ月児健診までの空白期間が長いことが、課題の一つだと認識した」と受け止める。

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    道によると、生後10カ月はつかまり立ちや、簡単な言葉をしゃべり始め、発達の差が出やすいことから、健診を導入する自治体が多いという。1997年度から始めた北見市は「育児に悩みを抱えやすい時期で、保健師が直接会える機会になる」。江別市は94年度から小児科に委託して実施。「病院の問診票で育児に不安がある家庭には、保健師が電話をかける。10カ月児健診は育児支援の意味合いが強い」と説明する。

    「健診実施だけでなく、どう支援するかが大事」と強調するのは札幌市だ。同市では昨年6月に、2歳女児が衰弱死する虐待事件が発生。市の検証報告書は、10カ月児健診などが未受診だったにもかかわらず、保健師が母親への連絡や家庭訪問をせず「健診が子の状況を把握する最大のポイントだった」と指摘した。

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    同市は再発防止策として民生委員や病院にも協力を呼び掛け、さまざまな方法で家庭に接触しているとし「特に未受診の家庭は虐待リスクが高いと考え、家庭訪問でも一度顔を見ただけで安心せず、支援を続けることが大事」と助言する。

    旭川市は乳幼児健診で2度案内を出しても受診に応じない場合、保健師が抜き打ちで家庭訪問している。市は次女を巡る対応について「適切に行った」とした上で「健診の時期や対応について改善できる点がないか考えたい」としている。(若林彩、星野真)

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