• 子どもの外出ダメ? 自治体や学校に苦情 親子「もう限界」

    3週連続の週末の外出自粛要請で、人通りがまばらな札幌市中心部=14日午後4時5分、札幌市中央区南1西4(中本翔撮影)
    新型コロナウイルスの感染防止対策で休校が続き、外出自粛ムードも広がる中、外出する子どもに過敏とも言える厳しい目が向けられている。専門家は公園遊びや買い物は感染リスクが低いとするが、自治体や学校には「子どもがマスクをせずに出歩いている」といった通報があり、批判交じりに指をさされて息苦しさを感じる親子も。個人の行動と、感染予防のバランスをどう取ればいいのか―。専門家は「正しい情報に基づき、リスクを冷静に判断して」と呼びかけている。

    道内の自治体や学校には2月下旬の休校以降、「温水プールに子どもが集まっていた」「商業施設に生徒がたむろしている」「なんで自粛させないんだ」などの意見が地域住民から寄せられているという。石狩管内の中学校の40代の男性教諭は「社会の目が相当、厳しくなっているのを感じる」と話す。

    札幌市豊平区の小学5年の女子児童(11)は休校が始まった2月下旬以降、母親の実家がある道北で数週間を過ごした際、外出時に見知らぬ人から「親子で出歩いている」と指をさされた。それ以降、家でゲームをしたり漫画を読むだけの日々。札幌に戻った後もほとんど外出できず、「早く外で遊びたい」とこぼす。

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    「家の中はもう限界」。鈴木直道知事が3週連続で週末の外出自粛を要請した14日昼、6歳と1歳の息子を連れて商業施設を訪れた札幌市清田区のパート女性(29)はせめてもの息抜きと、カプセルの中に玩具が入った自動販売機「ガチャガチャ」を買って子どもを遊ばせ、1時間弱で足早に帰宅した。「周囲から白い目で見られているようで長くはいられない。一体どこで遊ばせれば」と悩む。

    政府の専門家会議は、散歩や買い物、美術鑑賞などを感染リスクの低い行動として例示している。文部科学省も子どもの外出について「屋外での運動や散歩を妨げるものではない」とし、学校の体育館の開放も大人数が密集しないことなどを条件に「各学校などで検討し、運動の機会を確保してほしい」とした。

    ただ、過敏なのは一般市民ばかりではない。卒業生1人と在校生数人が参加予定だった道内のある町の小学校は、道教委の厳しい要請を受けて在校生の卒業式参加を断念。同校の関係者は「十分な間隔を空けており、感染対策は万全。大規模校と同列に扱うのはおかしい」と疑問を呈する。

    札幌大の酒井春樹名誉教授(社会心理学)は「感染拡大に伴う不安や欲求不満は他者への攻撃につながりやすい。無用な批判や衝突を防ぐには、正しい情報を丹念に伝え続けるしかない」と指摘している。

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