骨の難病だって幼稚園楽しいよ 釧路の彩羽ちゃん、母が日常をSNSに

幼稚園の園庭で元気に遊ぶ佐藤彩羽ちゃん(左)と母の千尋さん

難病の軟骨無形成症を患う釧路市の佐藤彩羽(いろは)ちゃん(3)が元気に幼稚園生活をスタートさせている。母の千尋さん(29)は、同じ病気の子を持つ親たちと情報交換しながら前向きに子育てをしてきた。「病気について知ってもらい、悩みを抱える親たちの励みになってほしい」と娘の日常をSNSで発信する。

軟骨無形成症は軟骨が正常に形成されないために、低身長や手足の短さが引き起こされる指定難病。遺伝子の変異が原因で、2万人に1人ほどの割合で生まれるとされる。成長終了時の最終身長は男性で約130センチ、女性で約124センチ。根本的な治療法はなく対症療法が中心という。

千尋さんは妊娠8カ月ごろの妊婦健診で赤ちゃんの大腿(だいたい)骨の長さが短めと言われ、骨の病気の可能性を指摘された。「生まれるまで不安な気持ちで泣いていた」と振り返る。

妊娠中はインターネットで見つけた軟骨無形成症の子どもを育てる母親のブログにメッセージを送り、勇気づけられたという。産後は彩羽ちゃんとの日常生活をインスタグラム(@chihiro.saito.37604)で発信。SNS上で全国100人ほどの親たちと情報交換しており、最近では同様の病気の子どもを妊娠する母親を励ます側にもなった。

彩羽ちゃんは現在、標準的な3歳児より小さめの身長80センチ。この4月には姉(7)が通っていた認定こども園釧路桜幼稚園(桜ケ岡5)に入園。園ではサポートの先生をクラスに配置するほか、送迎バスにチャイルドシートや手すりを付けるなどして、園生活を温かく見守る。

好奇心旺盛で体を動かすことが大好きな彩羽ちゃん。通院や家庭での成長ホルモン補充の注射など、治療の大変さや合併症の不安がつきまとうが、「いーちゃん(彩羽ちゃん)のおかげでいろんな人たちと知り合えたし、家族の絆も深まった。生まれてきてくれてありがとうという思いでいっぱい」と千尋さん。「友達をつくってのびのびと園生活を送ってほしい」と願っている。

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