「いらっしゃいませ」子どもが接客体験 上富良野に開店へ 地域のお年寄りたちとの交流拠点に

子どもたちが接客の仕事を体験する「ページ」のプレオープン日の様子=4月

【上富良野】一般社団法人「澄空(そら)」(福永将平代表)は近く町内宮町1の同事業所の1階で、子どもたちに接客の仕事を体験してもらうスペース「Page(ページ)」をオープンする。4月のプレオープンには多くの家族連れなどが訪問した。福永代表は「将来的に子どもたちと地域のお年寄りたちの交流拠点にしていきたい」と期待を寄せている。

「いらっしゃいませ」。4月下旬のプレオープンで同事業所に入ると、温かく子どもたちが出迎えた。入り口正面に設けられた商品棚には琥珀(こはく)糖や豚まん、焼き菓子などがずらりと並んだ。エプロンをつけた子どもたちが訪れた町民らに対して「シフォンケーキがオススメです」などと話して注文を受けたり、会計をしたりした。

接客を行った上富良野小5年の米谷侑真君(10)は「(接客に向けて)たくさん練習をした。将来は澄空で働くことが夢」と笑顔を見せた。

澄空は、発達障害などがある子どたちを対象とした放課後等デイサービスを運営。現在は美瑛町を含む富良野地方の小学1年~高校2年の約40人が通う。子どもたちに接客を通じて言葉遣いなどの社会的なスキルを身につけてもらおうと、2年ほど前からスペース開設に向けた構想を膨らませていた。事業所が昨年4月に市街地の一軒家に移転したのを機に本格的な準備を進めてきた。

陳列されたお菓子などはスタッフが中心となって作るが、子どもたちも包装や材料のグラム数を計るといった作業を手伝う。事業名には「本を1ページずつめくるように、一人一人の実現したい思いをこの場所で表現してほしい」との思いを込めたと福永代表。「間違いや失敗を経験することが大人になった時に苦難を乗り越える自信につながる。そんな背中を押せる場所にしたい」と誓っている。

「ページ」の開設時間は毎週月、金曜午前11時~午後4時を予定している。問い合わせは澄空(電)0167・56・7565へ。

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