スイーツで蘭越米のおいしさPR アレルギーでも安心 農家木村さん営む倶知安クレープ店1周年

「お米ならではの味の良さを知ってほしい」と語る木村政義さん(右)と従業員

【蘭越、倶知安】蘭越町の米農家木村政義さん(31)がJR倶知安駅前で営む米粉クレープ店「カフェ クレープリ」が、開店から1年を迎えた。自ら育てたコメで作るクレープは小麦アレルギーのある人にも好評で、商品数は開店当初の2倍以上に増えた。木村さんは「蘭越の名前と米粉のおいしさが広がってきた。地域の盛り上げに貢献し続けたい」と気持ちを新たにしている。

木村さんは蘭越町初田の稲作農家の5代目。主食用米の需要が減る中で「コメの付加価値を高めよう」と、自ら手がけた「ゆめぴりか」を使うクレープの店を昨年3月下旬に開いた。

こだわりは、アレルギーの要因とされるグルテン(タンパク質の一種)を含む小麦を使わない「グルテンフリー」。生地を伸ばすためにタピオカ粉を混ぜたり、カスタードに米粉を使ったりと工夫を凝らす。米粉の生地は、外はパリパリ、中はフワフワな食感に仕上がるという。

クレープは当初の9種類から23種類に増え、月替わりや季節の商品も登場。倶知安町の小豆や蘭越町のイチゴといった地元産の材料も生かし、4月末までは倶知安町内の焼き芋と雑貨の店「Mikke(ミッケ)」とコラボしたサツマイモのクレープも販売している。

店には女性を中心に後志管内各地から客が訪れ、「小麦を使わない食品を求める人や、子どもの食に気を使う母親が増えている」と手応えを実感。木村さんの妻桃子さん(33)が手作りする米粉スイーツも販売し、中でもカヌレは完売する日が多い人気ぶりだ。

今後は地元農家が育てる無農薬、有機栽培の作物を使った商品開発に力を入れるほか、札幌など都市部への出店も視野に入れる。木村さんは「各地のコメを使った米粉クレープ店をつくり、お米の楽しみ方の幅を広げたい」と意気込んでいる。

営業は午前11時~午後6時半。6月以降の金、土曜は午後11時まで。火曜定休。問い合わせは同店(電)070・8387・7877へ。(加藤遥花)

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