厚労省、園児のマスク推奨 苫小牧市内施設「正しい着用 困難」 年少は特に「状況に応じるしか…」

マスクを着用して遊ぶ園児ら=ピノキオ幼稚園

保育施設での新型コロナウイルスの感染拡大により、厚生労働省が新たな対策として園児のマスク着用の推奨を打ち出したが、既に多くが同様の対策を取っている苫小牧市内の幼稚園や保育園でも感染拡大が続いている。関係者からは「まだ幼い園児が正しくマスクを着けるのは難しい」と指摘する声が上がっている。

幼保連携型認定こども園苫小牧ふたば幼稚園(219人)では、感染拡大が本格的に始まった一昨年春ごろから3歳以上はマスクを着用して登園するよう保護者らに要請。渡部麻子副園長は「マスクを中途半端に着けたり、置きっ放しにしないよう指導しているが、息苦しさから嫌がる子もいる。一人一人の状況に応じてやっていくしかない」と話す。

道が8日発表した新型コロナの感染状況によると、感染者の約2割が10歳未満。市内の保育施設でも感染が相次いでいることから、同園では2歳児の着用も検討しているという。

取り替え用準備

錦岡保育園(91人)も、1年ほど前から2歳以上の着用可能な園児はマスクを着けるようにしている。山口康男園長は「着用できない子もいるが、親の皆さんが協力してくれるので、できる限りやっている。なくしたり汚したりした場合に備えて園で新しいマスクを準備している」という。

学校法人坂本北海道学園が運営するピノキオ苫小牧幼稚園(134人)とエンゼル幼稚園(180人)も感染拡大初期から園児のマスク着用に取り組んできたという。

ピノキオ幼稚園の坂本ひろみ園長は「子どもたちにマスクの付け方の指導はしているものの、年少の園児は着け忘れたり、ずれてあごマスクになることが多い。走り回り苦しくなって外すこともある」と説明。「大人のようにずっと正しくマスクを着用するのは難しい」と指摘する。

黙食など対策も

感染力の強いオミクロン株の影響で市内の幼稚園や保育園などの保育施設50施設のうち、今年に入って約20施設が休園措置を取り、うち3施設が現在も休園している。各施設は消毒の徹底や、昼食時にパーティションを設置して黙食するなどの対策を講じているが収束は見通せていない。

市こども育成課によると、園児のマスク着用に関しての正式な通知は来ておらず対応は検討中だが「既にほとんどの施設が対策を取っているため大きな変化はない。できるだけ取り組んでもらうといった対応になるのでは」という。

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